(ウィーンウィーン、ガガガガ)
こんにちはー。あれ?改装中?
うん。最近地震多いから、パブロフ心配になっちゃって、耐震構造強化してるの♪
そ、そっか・・・。(どれだけ儲かってるんだろう。)それなら、資本的支出として仕訳をしなきゃね。
資本的支出って何?
お店の工事を待ってる間、固定資産のお勉強をしようか。
するするー!!
修繕費の収益的支出と資本的支出
通常の修繕の場合は「修繕費」で処理します。つまり、経費と考えます。これを収益的支出といいます。
一方、修繕のうち、有形固定資産の耐用年数を延長させたり、資産の価値を増加させたりする効果が認められた部分は「有形固定資産の取得価額に足す」処理をします。これを資本的支出と言い、資産の追加購入と考えます。
■収益的支出 当期の収益に対応する支払い。費用。
■資本的支出 資産の価値を増加する支払い。資産の増加。
修繕費
次の取引について決算整理仕訳を行いなさい。機械の定期修繕を期末に行い、代金¥6,000は翌月末の支払いとした。前月末までに計上された修繕引当金は¥4,000である。
<解答>
(借方)修繕引当金 4,000 (貸方)未払金 6,000
修繕費 2,000
<解き方>
修繕引当金とは、定期的な修繕のために引き当てておく金額。毎期少しずつ費用を計上することができ、修繕をしたとき一度に多額の費用を計上しなくてすみます。
① 修繕を行ったが、修繕引当金が4,000しかないので、全額を取り崩す。
修繕引当金4,000 /
② 足りない金額は修繕費とする。
修繕引当金4,000 /
修繕費 2,000
③ 代金は翌月末払いなので、未払金を書く。
修繕引当金4,000 / 未払金6,000
修繕費 2,000
<参考>修繕引当金の仕訳
① 毎期の引き当て
修繕引当金繰入額 / 修繕引当金
② 修繕をしたとき
修繕引当金 / 現金
資本的支出
次の取引について仕訳しなさい。当期首に建物の修繕を行い、代金¥4,000は小切手を振り出して支払った。なお、このうち、¥3,000は建物の耐用年数を延長する効果があると認められた。修繕引当金の残高は¥1,400であった。
<解答>
(借方)建物 3,000 (貸方)当座預金 4,000
修繕引当金 1,000
<解き方>
有形固定資産の耐用年数を延長させる部分は「有形固定資産の取得価額にたす」。それ以外の部分は通常の修繕費の仕訳と同じ。
まとめ
■耐用年数を延長、資産の価値を増加 → 資本的支出
■その他 → 修繕費
ふあ~。難しいね。
資本的支出の場合、決算整理で減価償却費を計上するのを忘れないようにね。
パブロフ、忘れそう。気を付けなきゃね。
15 Comments
テキスト利用させていただいております。ありがとうございます。
商業簿記2級テキストP240のQ1の仕訳について、また上記ブログのひとつ目の例題もなのですが、修繕引当金及び修繕費を未払計上する場合、修繕「費」を含むため未払費用にしたくなってしまい判断を間違ってしまいます。
修繕費のように費用にあたる科目でも、継続的なサービスか否かで未払金、未払費用の判断をすればよいのでしょうか。工事期間が長い場合は?等と考え始めて悩んでしまいました。テキストP47には戻ってみたのですが、未払金、未払費用の判別ポイントがありましたらお教えいただけないでしょうか。
テキストをお使いくださり、ありがとうございます。
基本的には未払金を使い、簿記3級で学習した「経過勘定の決算整理仕訳」が未払費用と考えると簡単です。
期中で出てくる取引は、未払金を使います。例えば、P.240のQ1は「次の取引について仕訳しなさい」「当期首に営業用の建物の修繕を行い」、と書いてありますので、決算ではなく、期中の取引だとわかります。
一方で、決算のタイミングで出てくる「決算整理事項」では、経過勘定の決算整理仕訳ですので「未払費用」を使います。例えば、P.320の7、8が経過勘定です。
なお、固定資産の割賦購入などで、一部例外が出てきますが、あくまで一部の例外ですので、基本的には「未払金」を使うと覚えておけば大丈夫です。
期中の取引では基本的には未払金、経過勘定の決算整理仕訳では未払費用を使うのですね、詳しいご説明ありがとうございます。悩まず解いていけそうです。次の試験に向けて頑張ります。
解決したようでよかったです。合格を応援しています!
総仕上げ問題集の問題03-3では当期首ですが、
修繕引当金がある場合、修繕引当金を使うことがなぜできるのでしょうか。
貸倒引当金の場合は、前期に発生した時に貸倒引当金が適用できると思います。
どのように考えれば良いのか分からないので、教えていただければと思います。
会社では、数年間の修繕計画を立てておりまして、建物の修繕は計画に従って行われます。このため、建物に関する修繕引当金を計画に従って積み立てておきます。そして、計画に従って修繕をした場合、計画通りですから積み立てていた修繕引当金を取り崩すことができます。
貸倒引当金が特別と考えて構いませんです。覚え方としては、貸倒引当金の場合は「当期か前期かを注意する必要がある」が、他の引当金の場合は「問題文に特に指示がない限り、引当金の残高があれば取り崩す」と覚えておけば大丈夫です。
貸倒引当金が特別なんですね。
すっきりしました。ありがとうございました。
現在2級勉強中の者です。
# テキスト買いました!
実務的な話で恐縮ですが。
修繕費とするか資本的支出とするかは誰が決めるのでしょうか?税務署でしょうか?
費用と資産の違いなので自分が払うなら全て資産として計上したいと考えてしまいます。
テキストをお使いくださりありがとうございます。
資本的支出か収益的支出かは会社が判断します。資本的支出とするには耐用年数が伸びるなどの要件を満たしていないといけません。本屋さんに専門書がありますので、見てみてください。
一定規模の会社には会計監査として、監査法人や会計士がチェックしますので、何でも資本的支出にしていると修正させられます。修正が発生すると会社で経理担当者の評価が下がったり、処罰される事もありますので、実務的な知識や判断が必要になります。
また、税務的に否認されますと追徴課税のペナルティーになり、これも担当者の責任になったり、税理士が訴訟されることもあります。
なので、実務的には専門書を読んで調べたり、会計士や税理士に相談して判断することが多いです。
固定資産に登録するのも固定資産税の対象になったりしますので、メリットばかりでもなかったりします。収益的支出も資本的支出も現金の支出額は変わりませんが、収益的支出の方が当期の費用が多くなり、節税になります。
早々のご回答ありがとうございました。
会計監査、税務上のチェックがあるのですね。
また費用の点もデメリットばかりでは無い点大変参考になりました。
解決したようでよかったです。
簿記2級で勉強するのは氷山の一角ですので、細かいことはお気になさらずに。
資本的支出の<解答>で、
貸方は”未払金”となっていますが、
問題文には「小切手を出して支払った」とあるので
“当座預金”ではないのでしょうか?
コメントありがとうございます。
解答の仕訳が誤っておりましたので当座預金に修正致しました。
ご連絡くださり、ありがとうございました!
現在、2級勉強中の者です。解答の修繕引当金 1,000円は借方ではないのでしょうか?間違ってたらすいません。
借方に書いてありますが、どういうことでしょうか?