鈴木さんが、ヨーロッパの高級ドッグフードが欲しいって。パブロフ、ヨーロッパにいるジョンに、高級ドッグフード買って日本に送ってって電話したの!
国際電話!?すごいね、パブロフくん。じゃ、委託買付について見ていこうか。
委託買付
次の取引について仕訳しなさい。買付の委託をしているジョン商店より、以下の買付計算書とともに商品の送付を受けた。当社は委託買付勘定を使用している。
買付金額:高級ドッグフード ¥150
買付諸掛:支払運賃¥30、保管料 ¥10、買付手数料 ¥10
<解答>
(借方)仕入 200 (貸方)委託買付 200
<解き方>
問題文の『買付の委託』という文言より、委託買付の取引を行っていることがわかります。委託買付の一連の流れを3コママンガを使って、見ていきましょう。
委託買付の仕訳は、「委託買付勘定使う場合」と「使わない場合」の2パターンがありますが、本問は問題文に『委託買付勘定を使用している』と指示があるので、指示に従います。委託買付の仕訳は次の①~③ですが、本問は②が問われています。
委託買付の一連の流れ
1.委託買付勘定を使う場合(本問)
① 前払金の支払時
(借方)委託買付 100 (貸方)当座預金 100
② 買付計算書の受取時(本問の解答)
150+30+10+10=200
(借方)仕入 200 (貸方)委託買付 200
③ 買付計算書によりお金の支払
(借方)委託買付 100 (貸方)現金 100
※この時点で委託買付が差引0になる。
2.委託買付勘定を使わない場合
① 前払金の支払時
(借方)前払金 100 (貸方)当座預金 100
② 買付計算書の受取時
(借方)仕入 200 (貸方)前払金 100
買掛金 100
③ 買付計算書によりお金の支払
(借方)買掛金 100 (貸方)現金 100
委託買付のポイント
■ポイント1
買付計算書に書かれている、買付にかかった諸掛は、すべて「仕入」に含める。
■ポイント2
「委託買付」勘定を使用すると指示がある場合や、残高試算表に「委託買付」が書かれている場合は「委託買付」を使って仕訳する。
委託買付勘定を使わない場合は、「前払金」「買掛金」などを使って仕訳する。
■買付計算書の読み方
委託買付をすると、相手から買付計算書を受け取ります。買付計算書とは買付の受託者が委託者に提出する書類です。買付計算書は次のような形式になっています。
買付高 150 ←受託者が買い付けた金額
諸掛 30+10=40 ←受託者が買い付けるために立て替えた費用
買付手数料 10 ←受託者がもらう手数料
請求額 200 ←委託者が受託者に払うお金
あとね、お得意さまに、ミックスホネホネ50袋欲しいから買って来て、って頼まれちゃった!
商売繁盛だね!!
受託買付
次の取引について仕訳しなさい。
過日、那覇商店から買付を委託されていた商品¥250を買い付け、代金は小切手を振り出して支払った。なお、引取運賃¥15は現金で支払った。
<解答>
(借方)受託買付 265 (貸方)当座預金 250
現金 15
<解き方>
問題文の『買付を委託されていた』との文言より、受託買付とわかります。受託買付の一連の流れを4コママンガを使って、見てみましょう。
受託買付の一連の流れ
① 前受金の受取
(借方)現金 100 (貸方)受託買付 100
② 商品の買付(本問の解答)
(借方)受託買付 250 (貸方)当座預金 250
③ 諸掛の支払(本問の解答)
(借方)受託買付 15 (貸方)現金 15
④ 買付計算書を送付
(借方)受託買付 25 (貸方)受取手数料 25
⑤ 買付計算書によりお金回収
(借方)現金 190 (貸方)受託買付 190
受託買付のポイント
買付をお願いされただけで取引の当事者ではないので、「仕入」や「売上」を計上してはいけない。買付をするメリットは「受取手数料」をもらえること。
したがって、商品の買付金額や買付にかかった諸掛などは「受託買付」で計上しておき、買付計算書でまとめて請求する。
買付計算書の読み方
受託買付をすると、相手へ買付計算書を送付します。買付計算書とは買付の受託者が委託者に提出する書類です。買付計算書は次のような形式になっています。
買付高 250 ←受託者が買い付けた金額
諸掛 15 ←受託者が買い付けるために立て替えた費用
買付手数料 25 ←受託者がもらう手数料
請求額 290 ←委託者が受託者に払うお金
まとめ
■委託買付のポイント1
買付計算書に書かれている、買付にかかった諸掛は、すべて「仕入」に含める。
■委託買付のポイント2
「委託買付」勘定を使用すると指示がある場合や、残高試算表に「委託買付」が書かれている場合は「委託買付」を使って仕訳する。
そうでない場合は、「前払金」「買掛金」などを使って仕訳する。
■受託買付のポイント
買付をお願いされただけで取引の当事者ではないので、「仕入」や「売上」を計上してはいけない。買付をするメリットは「受取手数料」をもらえること。
したがって、商品の買付金額や買付にかかった諸掛などは「受託買付」で計上しておき、買付計算書でまとめて請求する。
どう?分かったかな?
う…うん。紛らわしいね。