総合原価計算の解き方 ②材料の追加投入

パブロフくん材料を追加投入するから…えっと…

お兄さんパブロフくん、材料の追加投入には2つのパターンがあるんだ。

パブロフくんえっ!?知らなかった。

 

材料の追加投入

材料の追加投入の出題のされ方には2つのパターンがあります。
「作業の途中点で投入する場合」と「工程を通じて平均的に投入する場合」です。

(1)作業の途中点で投入する場合

作業の途中のどこか1か所で材料を一気に追加投入します。
2-1材料の追加投入

(2)工程を通じて平均的に投入する場合

作業の開始から終了まで、工程を通じて材料を少しずつ平均的に投入します。
平均的に投入する場合、作業進捗度に応じて材料Cが投入されることになるので、完成品換算量を使って計算することになります。
2-2材料の平均投入

 

(1)材料の追加投入(作業の途中点で投入)

総合原価計算の材料の追加投入(作業の途中点で投入)の例題を使って、解き方を見ていきましょう。

2-3材料の追加投入

 

<解答>
完成品原価 57,230円

<解き方>
ステップ1 状況を整理します。材料Bの追加点は50%なので、ここを通過した140個分に対して、材料Bを投入します。 
総合原価計算(材料の追加投入)

 

ステップ2 仕掛品のBOX図の下書きを書きます。材料費Aと加工費と追加した材料費B、3つのBOX図を書くのがポイントです。
2-5材料の追加投入

 

ステップ3 次の赤字の部分には問題文の情報をそのまま写します。
2-6材料の追加投入

 

ステップ4 次の赤字の部分は、自分で計算します。

2-7材料の追加投入
加工費
 月初 20個×20%=4個
 月末 10個×80%=8個
 投入 130個+8個-4個=134個

材料費B
 材料費Bの数量はステップ1の図(下の図)を見ながら記入します。月初仕掛品、月末仕掛品、完成品の進捗度が「追加投入地点(50%)」を通過していれば、原料Bは投入済みですので、材料費Aと同じ数量(10個)を書きます。一方、「追加投入地点(50%)」通過していなければ、原料Bはまだ投入していませんので、0個と書きます。
 月初 月初は20%なので、材料費Bはまだ投入前→0個
 完成 材料費Bは投入済み→130個
 月末 月末の80%なので、材料費Bは投入済み→10個
 投入 130個+10個-0個=140個

総合原価計算(材料の追加投入)

 

ステップ5 月末の金額を計算します。
2-8材料の追加投入
月末
 材料費A 28,800円÷120個×10個=2,400円
 加工費 21,440円÷134個×8個=1,280円
 材料費B 5,628円÷140個×10個=402円

 

ステップ6 完成品の金額を差額で出します。

2-9材料の追加投入

完成
 材料費A 5,080円+28,800円-2,400円=31,480円
 加工費 364円+21,440円-1,280円=20,524円
 材料費B 0円+5,628円-402円=5,226円
完成品原価 31,480円+20,524円+5,226円=57,230円

 

(2)材料の追加投入(工程を通じて平均的に投入)

総合原価計算の材料の追加投入(工程を通じて平均的に投入)の例題を使って、解き方を見ていきましょう。

2-10材料の平均投入

<解答>
完成品原価 54,604円

 

<解き方>
ステップ1 状況を整理します。材料は工程を通じて平均的に投入しています。
材料の追加投入(工程を通じて平均的に投入)

ステップ2 仕掛品のBOX図の下書きを書きます。材料費Aと加工費と材料費C、3つのBOX図を書くのがポイントです。
2-12材料の平均投入

 

ステップ3 次の赤字の部分には問題文の情報をそのまま写します。
2-13材料の平均投入

 

ステップ4 次の部分は計算で出します。「工程を通じて平均的に投入」ですので、材料費Cの数量は加工費の数量と同じになりますから、書き写します。材料Cを平均的に投入するということは材料Cがだんだん累積していくということで、これは加工費と同じ考え方をします。
2-14材料の平均投入

加工費
 月初 20個×20%=4個
 月末 10個×80%=8個
 投入 130個+8個-4個=134個

材料費C
 月初、投入、完成、月末は加工費の数量を書き写す。
 

ステップ5 月末の金額を計算します。
2-15材料の平均投入

月末
 材料費A 28,800円÷120個×10個=2,400円
 加工費 21,440円÷134個×8個=1,280円
 材料費C 2,680円÷134個×8個=160円

 

ステップ6 完成品の金額を差額で計算します。
2-16材料の平均投入

完成
 材料費A 5,080円+28,800円-2,400円=31,480円
 加工費 364円+21,440円-1,280円=20,524円
 材料費B 80円+2,680円-160円=2,600円
完成品原価 31,480円+20,524円+2,600円=54,604円

 

パブロフくんステップ4がポイントなんだね!

お兄さんそのとおり!材料の追加投入では、BOX図の個数の書き方がポイントなんだ。

 

関連ページ

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17 Comments

  1. tomorrow on 2020年8月31日 at 11:00

    材料の途中で追加投入と仕損減損を絡めた場合のもんだいなのですが、図を書き追加投入点を通過してるか確認しながら月初、月末の数字を埋めていくのはわかるのですが、原料Aで仕損減損が発生していた場合、追加で投入するBにも仕損減損が発生するのですか?それともあくまでAだけなのですか?わかりにくくてすみません

    • パブロフくん on 2020年9月3日 at 18:02

      問題によって、判断することになります。テキスト、総仕上げ問題集の内容でしたら、該当ページを教えて頂けますと詳しく説明いたします。

      • tomorrow on 2020年9月4日 at 14:22

        返信ありがとうございます。いろいろな問題集を解いていてよく分からなくなったので‥。問題によって判断とは、仕損減損の発生点より追加投入が前か後かで変わってくると言うことですか?

        • パブロフくん on 2020年9月4日 at 16:13

          問題によって判断というのは、仕損と材料投入のパターンに種類があるため、解き方が変わります。
          ・仕損の発生点がわかる場合か、発生点が不明の場合か
          ・材料の追加投入が一定点で投入か、平均的に投入か

          例1:原料Aを始点投入、原料Bを終点で投入し、仕損が90%で発生している場合、原料Bは仕損の検査点を通過後に投入していますので、仕損は発生しません。
          例2:原料Aを始点投入、原料Bを50%で投入し、仕損が終点で発生している場合、原料Bからも仕損が発生します。
          例3:原料Aを始点投入、原料Bを平均的に投入し、仕損の発生点が不明の場合には、原料Bからも仕損が発生します。

          パブロフの書籍の内容でしたら説明できるのですが、他社の書籍の問題や解説がどのようなものかわかりかねますので、詳細につきましてはお使いのテキストの出版社にご質問して頂けますと幸いです。

          • tomorrow on 2020年9月4日 at 17:09

            わかりやすい説明ありがとうございました。ようやく理解できました。長々とすみませんでした!

          • tomorrow on 2020年9月4日 at 17:14

            わかりやすい説明ありがとうございました!ようやく理解できました!

  2. こうすけ on 2020年3月26日 at 11:16

    工業簿記問題集P141「材料の追加投入(平均的に投入)」という問題について。

    問1の完成品総合原価を求める際の解説について教えてください。

    1.仕損の処分価格が6,000円とのことですが、どうして完成品のX原料のみから引くのですか?
     仕損にも加工費が含まれますよね?ということは、6,000円の中にも加工費が含まれることになります。
     それをX原料にだけ負担させるのはなぜですか?

    2.Y原材料のボックス図ですが、完成品(2,500kg)と仕損(100kg)の合計が806,000円ということですよね?
     完成品総合原価を求める際の式は、解答によればY原料には仕損が含まれた806,000が足されていますが、
     そうするとX原料で仕損6,000円をせっかく引いたのにまた仕損の金額を足していることになりませんか?
     上記1の疑問があるので、ここの内容が理解できず。。。

    よろしくお願いいたします。

    • パブロフくん on 2020年3月29日 at 12:40

      総仕上げ問題集をお使いくださり、ありがとうございます。
      それぞれ質問に回答いたします。

      ◆質問1 X原料からマイナスする理由
      仕損品の処分価格(仕損品の評価額)というのは、仕損品を売った場合の売却額のことです(テキストP.205)。これは、主原料から発生することが一般的で、主原料を構成する「鉄くず」の売却額と考えてください。最初に投入する原料が、製品を構成する主な原料(例えば鉄板)、追加で投入するのは、プラスする原料(鉄に色を塗る塗料)ですから、製品として失敗した仕損品を鉄くずとしての売却額は、主な原料に対応するもの、と考えます。このため、原料Xの原料費から売却額をマイナスして計算しています。
      わかりにくいようでしたら、最終的に「完成品を計算し、完成品から仕損品の処分価格をマイナスする」という考え方で計算してみてください。計算結果は同じになります。

      ◆質問2 仕損の計算方法について
      「Y原料には仕損が含まれた806,000が足されていますが、 そうするとX原料で仕損6,000円をせっかく引いたのにまた仕損の金額を足していることになりませんか」

      なりません。仕損品を作るのにかかった原価と仕損品の処分価格(売却価格)をゴチャゴチャに考えていませんか?原価と処分価格は別々のものです。
      両者の違いを金額を使って詳しく説明します。
      (簿記2級では、度外視法という計算方法ですので、下記のように厳密に計算する方法はしませんが、わかりやすいように厳密に計算する方法を使って説明します。)

      ★P.142とP.143のBOX図と計算式を見てみてください。
      ①仕損品を作るのにかかった原価(X原料100kg、Y原料100kg、加工費100kg)
      X原料 合計額3,720,000÷合計量3,100kg×仕損100kg=120,000
      Y原料 合計額883,500÷合計量2,850kg×仕損100kg=31,000
      加工費 合計額2,280,000÷合計2,850kg×仕損100kg=80,000
      仕損の原価 120,000+31,000+80,000=231,000円

      ②仕損品の処分価格 6,000円

      上記①と②より、仕損品が発生したことで231,000円-6,000円=225,000円の原価が多くかかってしまったという状況がわかります(P.141の問題文に書いてある「正常仕損費」というのは225,000円のことです)。P.141の問題文の「正常仕損費はすべて完成品に負担させる」と書いてあるように、225,000円は完成品の原価に加算して計算することになります。
      ここで、P.143の計算に戻ってみます。
      「完成品 X原料 3,720,000円-600,000円」で計算しているのは、合計3,100kg分のX原料費から月末500kg分のX原料費をマイナスしています。3,100kg-500kgの=2,600kgのX原料費というのは、完成品2,500kgと仕損品100kgの合計2,600kgのX原料費3,120,000円(これは仕損品の処分価格をマイナスする前の金額)ということです。加工費2,080,000円とY原料費806,000円も同じく、完成品と仕損品の合計が計算されています。これは、仕損品の原価は上記①で計算した金額が含まれている、ということです。
      ここから、仕損品の処分価格(外部へ売却する金額)をマイナスします。
      X原料費3,120,000円+加工費2,080,000円+Y原料費806,000円-仕損品の処分価格6,000円=完成品総合原価6,000,000円

      このように、完成品総合原価6,000,000円には、完成品を作るのにかかった原価と正常仕損費(仕損品を作るのにかかった原価-仕損品の処分価格)の2つが含まれているのです。

      まずは基本が大切ですので、テキストをお持ちでしたら、CH10-01~03に考え方と計算方法(仕損がない場合と仕損がある場合の違いはP.212とP.222)が書いてありますので、今のうちに復習しておきましょう。

      • 簿記受験生 on 2020年8月10日 at 21:56

        原価計算がどうにも苦手でして
        総仕上問題集の138ページのステップ2の図なんですが、1500個はどう出せば良いか分からなくなってしましました。
        すみませんが、よろしくお願いします。

        • パブロフくん on 2020年9月3日 at 12:00

          コメントありがとうございます。
          仕掛品BOX図の左側と右側の合計個数は一致します。計算式で表すと次のようになります。
           月初+投入=完成品+月末

          本問では投入個数が不明ですので、月初200個、完成品1,400個、月末300個を上記の計算式に入れてみましょう。
           200+?=1,400+300
              ↓
           ?=1,700−200
              ↓
           ?=1,500

          仕掛品BOX図の加工費の個数を記入する時と同じ流れをイメージすると解きやすいです。仕掛品BOX図の書き方や考え方は基本的な解き方が重要ですので、テキストCH9-2〜CH9-4を復習しておきましょう。

    • あさり on 2020年5月1日 at 14:53

      工業簿記総仕上げ問題集のp142のX原料(加工費)のボックス図についての質問です。
      月末の金額が600,000(200,000)となっているところなのですが、3,360,000÷2,800×500㎏で600,000を出すのはわかるのですが、加工費の200,000という数字はどうやって出すのでしょうか?

      • あさり on 2020年5月1日 at 15:30

        先ほどの質問ですが、自分で解決できました!
        失礼しました。

  3. ぱんすけ on 2020年2月6日 at 00:49

    いつもお世話になっております。
    追加材料BOXに、仕損・減損を入れることはありますか?
    総仕上げp145のように材料追加と仕損・減損問題をやってましたら、その辺りの知識があやふやになってしまいました。

    • パブロフくん on 2020年2月13日 at 14:04

      総仕上げ問題集をお使いくださり、ありがとうございます。
      仕損・減損の発生点によっては、追加材料BOXに仕損・減損を入れることがあります。過去の出題では、仕損・減損が最終地点で発生している問題がほとんどですので、解き方は難しくありません。

  4. ゆるーく勉強中 on 2014年10月31日 at 10:46

    有難うございます!丁寧に教えて頂いて感謝です。

  5. ゆるーく勉強中 on 2014年10月29日 at 23:47

    作業の途中で投入という項目でB材料の数量が追加投入地点(50%)を通過していれば材料費Aと同じ数量を書き、通過していなければ0個と書きますということですが、この辺がどうも理解できません。申し訳ありませんが、私でも理解できるように何かヒントになるようなことがあれば教えて頂けないでしょうか。

    • パブロフくん on 2014年10月30日 at 16:08

      コメントありがとうございます。段階を追って説明します。ブログの方も補足しておきました。

      身近な例にします。
      例:フセン(A材料)に50%の地点でハンコ(B材料)を押す。
      月初に作業途中のフセンが20枚あり、当月新しいフセン120枚を投入し、完成品が130枚ができ、月末に10枚作業途中でした。
      月初のフセンは20%の地点だったため、ハンコが押されていませんでしたが、月末のフセンは80%だったため、すべてハンコが押してありました。

      ハンコ(B材料)だけに注目すると、月初のフセンにハンコは0個、月末のフセンにハンコは10個になります。そして、当月フセンにハンコを押した数は140個となります。
      このように、まだ投入していないなら0個、投入済みならA材料と同じ数量ということになります。

      今回の数値例について、月初仕掛品について説明します。
      ・A材料は加工進捗度0%の地点で1個分投入します。月初仕掛品の加工進捗度20%ですから、すべて0%を通過済みですので、A材料が20個分が投入済みの状態です。
      ・加工費は加工進捗度に合わせて徐々に1個分投入します。月初仕掛品の加工進捗度20%ですから、月初仕掛品には20個×20%=4個分が投入済みの状態です。
      ・B材料は加工進捗度50%の地点で1個分投入します。月初仕掛品の加工進捗度は20%ですから、まだB材料は投入していませんので、20×0=0個分になります。

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