2020年11月15日(第156回)の日商簿記検定が近くなってきました。今回の試験ではどのような問題が出題されるのか、予想しました。
苦手な分野を試験までに解けるようになっておくことが出題予想の正しい使い方です。苦手な分野はテキストや総仕上げ問題集、実践問題を使って復習しておきましょう。試験直前に実力が伸びますので最後まで諦めずに頑張ってください!
試験に合格する人は、試験前にケアレスミス対策が終わっています。70点以上で合格の試験ですので、基本的な問題を正確に解ければ合格できます。今のうちにミスノートを利用して、ケアレスミス対策をしておき、悔しい思いをしないようにしましょう。
日商簿記3級の予想
第1問 仕訳(20点)
1法人税等の中間納付
2土地の購入
3剰余金の配当
4貸倒れ
5証ひょう(仕入と諸掛)の問題
第2問 補助簿の選択問題(10点)
第3問 試算表(30点)
・合計残高試算表(日付別)
第4問 伝票会計(10点)
第5問 財務諸表(貸借対照表と損益計算書)(30点)
【補足】その他、出題可能性が高いのは次のとおりです。
・第1問 貸付金の回収、証ひょう(納品書、請求書)、固定資産の修繕(資本的支出と収益的支出)
・第2問 総勘定元帳の記入
・第3問 合計試算表
・第4問 商品有高帳
・第5問 決算整理後残高試算表、精算表
<簿記3級の全体としての傾向>
最近の簿記3級の問題の難易度は変わらず、出題パターンもある程度決まっています。テキストや総仕上げ問題集の内容をしっかり身につければ必ず合格できます。2時間問題に慣れるため、総仕上げ問題集の模擬問題を解くことも重要です。
第3問の試算表ですが、合計試算表、残高試算表、合計残高試算表の3つが出題されます。毎回試験終了後に「合計と残高を勘違いして間違えた」とコメントを頂きます。今の時期から注意しておきましょう。
日商簿記2級の予想
<商業簿記>
第1問 仕訳(20点)
1増資(新株の発行)
2固定資産の火災
3仕入割引・売上割引
4役務収益と役務原価
5賞与の支払い(賞与引当金あり、源泉徴収あり)
第2問 株主資本等変動計算書(20点)
第3問 連結財務諸表(20点)
・連結損益計算書と連結貸借対照表
<工業簿記>
第4問 工程別総合原価計算(20点)
・材料の追加投入
・仕損の発生
第5問 標準原価計算(20点)
・仕掛品勘定の記入
・月次損益計算書
<簿記2級の全体としての傾向>
簿記2級は範囲が広く、出題のパターンが決まっていないため、出題傾向が読みにくいです。初めて見る問題も出題されることも多いのですが、試験問題を全体としてみてみると、70~80%は事前対策できる問題ですので、解ける問題を確実に解くことを意識して勉強しましょう。
<対策>
最近の試験は、商業簿記は難しいので7~8割程度、工業簿記で9割~満点を目標にしましょう。工業簿記はパターンが決まっており、総仕上げ問題集の中からどれか2問が出題されます。今のうちに反復練習しておきましょう。
<簿記2級の各小問>
第1問
簿記2級の範囲が広くなったため、仕訳問題は過去問だけで対策すると漏れが出てきてしまいます。パブロフ簿記のアプリ、テキストや総仕上げ問題集で幅広く対策することが必要です。なお、仕訳問題は上記5つと下記は出題可能性が高いので、しっかり復習おきましょう。
[その他、出題可能性が高い内容]
・売上割戻
・満期保有目的債券の購入(端数利息)
・減価償却 生産高比例法
・吸収合併
・建設仮勘定
第2問
株主資本等変動計算書が出題される可能性が高いです。また、最近の試験で出題されていない有価証券の総合問題、または固定資産の総合問題が出題される可能性もあります。
[その他、出題可能性が高い内容]
・有価証券の総合問題
・固定資産の総合問題
第3問
今まで「連結精算表」は出題されましたが、「連結財務諸表(連結損益計算書と連結貸借対照表)」が一度も出題されていないため、「連結財務諸表」の問題が出題される可能性が高いです。総仕上げ問題集CH8-5で、連結第4年度の「連結財務諸表」のタイムテーブルを使った解き方を練習しておきましょう。
また、下記の2つについても、出題される可能性がありますので、復習しておきましょう。
[その他、出題可能性が高い内容]
・個別の貸借対照表(税効果あり)
・本支店会計
第4問、第5問
ここ30回以上、似たような問題しか出ていません。工業簿記は範囲が広く、すべての分野の出題可能性は同じ状況です。苦手分野を作らないことが重要ですから、出題予想の内容ではなく、苦手な分野を克服する学習を進めていきましょう。なお、前回出題された費目別原価計算、前々回出題された本社工場会計、組別総合原価計算は出題されないと思います。
しばらく出題されていなかった、工程別総合原価計算、標準原価計算、CVP分析などが出題される可能性が高いです。また、製造原価報告書と損益計算書の問題もおさえておきましょう。
[その他、出題可能性が高い内容]
・製造原価報告書・損益計算書
・CVP分析
・直接原価計算の損益計算書
最後に
合格するために大切なことは、基本的な問題を確実に正解することです。難しい問題に注目してしまいますが、合格した人も難しい問題は正解していません。大切なのは、簡単な問題から順番に解くこと、苦手な分野を作らないこと、難しい問題に時間をかけすぎないこと、簡単な問題でミスしないこと、勘違いによるミスしないこと、を試験前に練習しておくことです。
まだ試験まで時間がありますので、11月の合格を目指して頑張りましょう!
23 Comments
再びコメント失礼いたします。
初歩的な質問で申し訳ないのですが、総仕上げ問題集の模擬試験の解答で、精算表など表形式の問題は、ピンク色の箇所1つにつき〇点などと書いてありますが、逆にそれ以外は採点対象外なのでしょうか?
具体的には、どこかを間違えてしまい一番下の合計金額が異なっていても、さらなる減点対象とはなりませんか?
よろしくお願い致します。
コメントありがとうございます。
総仕上げ問題集は本試験と同じ採点形式を使っています。
本試験の場合、採点箇所が決まっていて採点箇所が合っていれば点数が加算されます。他の場所が間違っていても減点とはなりません。
ご返信ありがとうございます。
なるほど!よくわかりました。ありがとうございます。
試験頑張ります^^
解決したようで良かったです。合格を応援しています!
はじめまして。
総仕上げ問題集を使っています。
連結会計で質問です。
2年目までは仕訳で連結修正仕訳をして回答しています。
3年目などになってくるとタイムテーブルを書いているのですが、
2年目もタイムテーブルを使った方がいいでしょうか?
どちらの方が良いのか迷います。
総仕上げ問題集をお使いくださり、ありがとうございます。
基本的に連結修正仕訳で回答する、こちらで大丈夫です。タイムテーブルは情報の整理のために使う、または仕訳が書けない時に使う、ということで十分です。
ありがとうございます。
あと1週間、頑張ります!!
合格を応援しています!
パブロフシリーズのテキスト、総仕上げ問題集、アプリにはお世話になっています
6月に受験予定だったので既に総仕上げ問題集は3周、過去問も2周目を終えたところで
工業簿記は満点、商業簿記も問1、問2は8割程度は取れるようになりました。
しかし連結財務諸表の2年度や4年度の連結修正仕訳が苦手で、解くたびに考え込んでしまいます
開始仕訳で貸倒引当金20円の前期の連結修正仕訳を書き忘れて、30-20=10円で良いところを
当期の連結修正仕訳で30円にしてしまったり等、自分でも驚くぐらい色々な箇所でミスが出ます
満点を狙わずとも良いのは理解しているのですが出来るだけ部分点を取りたいので
なんとかミスを減らしたいのですが何かコツはないでしょうか?
(別のところでも質問させていただきました)
テキストを使わせていただいているものです。(独学)
現在11/15の2級試験に向けて学習しています。
根本的な質問で申し訳ないのですが、仕訳の回答を書く際に、勘定科目の金額はどの程度まとめるべきでしょうか?
例えば、税効果会計でその他有価証券の評価の問題、時価5000円プラス、法人税率30%(過去問でありました)、過去問はその他有価証券評価差額金がまとめられてました
仕訳1
借方その他有価証券5000
貸方その他有価証券評価差額5000
仕訳2
借方その他有価証券評価差額金1500
貸方繰延税金資産1500
といった場合や連結会計会計の仕分けの場合、同じ科目で貸借両方に同じ科目がある場合があると思います。
回答として目安等ありましたら、教えていただきたいです。
テキストをお使いくださり、ありがとうございます。
その他有価証券の税効果会計の場合、本試験では②合算しない仕訳は不正解として扱われました。
①合算する仕訳
その他有価証券5,000/その他有価証券評価差額3,500
繰延税金資産1,500
②合算しない仕訳
その他有価証券5,000/その他有価証券評価差額5,000
その他有価証券評価差額金1,500/繰延税金資産1,500
同じタイミングで行われた取引は基本的に合算して解答しますが、別々に書く指示がある場合には、合算せずに別々に書くことになります。
テキストや総仕上げ問題集の模範解答のとおり、仕訳を書けば大丈夫です。
始めまして、パブロフのテキスト・総仕上げ問題集で3級・2級と学習しており、11月の試験で簿記2級に挑戦しようと思っています。
試験が近づいていますが、引き続き総仕上げ問題集巻末の模擬試験+Chapterの問題を復習して弱点やミスをつぶしていく学習で大丈夫でしょうか?というのも、過去問?は解いたことがなく、本当にパブロフ一筋!みたいな感じでここまで来たので…過去問にも目を通すべきですか?
答えにくい質問でしたらすみません。よろしくお願いします。
テキスト、総仕上げ問題集をお使いくださり、ありがとうございます。
総仕上げ問題集を中心に学習すれば大丈夫です。総仕上げ問題集は過去問からピックアップした問題を入れて作成していますので、過去問を解くのと同じ効果があります。
試験前には、初めて見る問題を2時間で解く練習をするため、下記の問題を使ってみるとよいでしょう。
https://pboki.com/ex/ex.html
総仕上げ問題集がすべての問題を時間内に正答できるようになり、やることがなくなった場合に過去問を解いてもよいと思います。
ご丁寧にありがとうございます。
総仕上げ問題集の解き直しを続けてみます。余裕があればリンク先のも解いてみようと思います、ありがとうございます。
良い報告ができるよう頑張ります><
合格を応援しています!
回答ありがとうございます!
了解いたしました。
問1だけだと思うので、注意してやってみます。
ありがとうございました。
解決したようで良かったです♪
テキスト、総仕上げ問題集、アプリをお使いくださり、ありがとうございます。
連結会計は皆さん、たくさん間違って、間違って、何度も解いていくうちに正確に解けるようになりますので、気にしなくて大丈夫ですよ。前まで簿記1級の範囲でしたので、難しい内容です。
自分のミスの傾向を知り、ミスノートとしてメモしておくことが大切です。ミスノートについて、下記の記事を一度見てみてください。
◆ミスノートの作り方・利用方法
https://pboki.com/missnote/missnote.html
次回連結会計の問題を解く前にミスノートを読んでからスタートし、「前回はこうやってミスした!今回は同じミスしないようにする」と反復することで、自然とミスが減ります。何度も何度も間違えると、自分のミスするポイントが意識できるようになりますので、ぜひお試しください。
試験を合格を応援しています!
ありがとうございます!!
いい報告ができるようにがんばります!!
簿記三級を勉強しているのですが
なかなか勉強が上手く進みません。
11月受験を予定する方々は
今どの辺りを勉強しているのか
教えて頂けないでしょうか…汗
急がば回れ、問題を解くことを重視してどんどん進めましょう。簿記の場合、テキストを読む時間は勉強時間ではなく、問題を解く時間が勉強時間です。
テキストは終わり、総仕上げ問題集を解き始めていれば、いいペースだと思います。まだテキストをしている場合は、テキストは1週間以内に終わらせ、総仕上げ問題集に進みましょう。
試験日まで日がせまっており、必死に総仕上げ問題集を解きまくっています。このまま試験日まで総仕上げ問題集を繰り返し解きまくるのか、また、一度テキスト問題集に戻って理解を、深めるのがいいのか、どちらがよいでしょうか?
総仕上げ問題集の模擬問題4回のうち、2回分は終えて、どちらも72点でした。
ミスがなければ70後半でした。
アドバイスよろしくお願いします。1回で受かります!!
まだ1か月ありますので、焦らなくて大丈夫ですよ。
総仕上げ問題集を繰り返し解くのがオススメです。模擬問題は90点以上を目指して、間違えた問題は復習してから、とき直してみましょう。
解けなかった問題が解けるようになると、勉強が進んでいる証拠です。合格を応援しています!