2018年6月10日(第149回)の日商簿記検定が近くなってきました。今回の試験ではどのような問題が出題されるのか、予想しました。
苦手な分野を試験までに解けるようになっておくことが出題予想の正しい使い方です。苦手な分野はテキストや総仕上げ問題集、実践問題を使って復習しておきましょう。試験直前に実力が伸びますので最後まで諦めずに頑張ってください!
試験に合格する人は、試験前にケアレスミス対策が終わっています。70点以上で合格の試験ですので、基本的な問題を正確に解ければ合格できます。今のうちにミスノートを利用して、ケアレスミス対策をしておき、悔しい思いをしないようにしましょう。
日商簿記3級の予想
第1問 仕訳(20点)
1売上諸掛
2現金実査(現金過不足)
3給料の源泉徴収
4備品の売却
5貸倒れ
第2問 補助簿(10点)
・補助簿から仕訳を記入する問題
第3問 残高試算表(30点)
・合計試算表(二重仕訳なし)
第4問 総勘定元帳(10点)
・経過勘定(受取利息と前受利息)を記入する問題
第5問 損益計算書と貸借対照表(30点)
【補足】その他、出題可能性が高いのは次のとおりです。
・第1問 仕入諸掛
・第2問 当座預金出納帳の記入
・第3問 合計残高試算表
・第4問 理論の穴埋め問題
・第5問 精算表の問題
<簿記3級の全体としての傾向>
簿記3級で出題される問題はパターンが決まっています。テキストや総仕上げ問題集の内容をしっかり身につければ必ず合格できます。2時間問題に慣れるため、総仕上げ問題集の模擬問題や過去問を解くことも重要です。
第3問の試算表ですが、合計試算表、残高試算表、合計残高試算表の3つが出題されます。毎回試験終了後に「合計と残高を勘違いして間違えた」とコメントを頂きます。今の時期から注意しておきましょう。
なお、簿記3級は2019年4月に試験範囲が大幅に変更される予定で、範囲から削除される内容については149回~151回の試験で出題について考慮する(出題しない)、と日本商工会議所がコメントをしております。下記の内容については、学習の重要度を下げて構いません。
・有価証券の取得、売却
・受取配当金
・当店発行の商品券
・仕入値引き、売上値引き
・減価償却の直接法
・引出金(店主の所得税の支払い、商品の自家消費など)
・期中に発生する当座借越の仕訳(当座預金の貸方として扱う)
・消耗品の決算整理(消耗品費として費用処理する方法のみを残す)
・繰越試算表
日商簿記2級の予想
<商業簿記>
第1問 仕訳(20点)
1売上と消費税の税抜方式
2固定資産の火災
3返品調整引当金
4増資
5連結会計の未実現利益の消去
第2問 リース取引の総合問題(20点)
問1 仕訳
問2 貸借対照表と損益計算書の残高を答える問題
第3問 サービス業の損益計算書(20点)
・外貨建金銭債権債務の換算替え(外国通貨、普通預金や売掛金など)
・オペレーティング・リース取引の経過勘定
・税効果会計(減価償却、貸倒引当金)
<工業簿記>
第4問 製造原価報告書と損益計算書を作成する問題(20点)
第5問 工程別原価計算(20点)
・減損、仕損の発生
・材料の追加投入
<簿記2級の全体としての傾向>
最近の試験では、商業簿記は難しいので7割程度、工業簿記は簡単ですので満点を目標にしましょう。工業簿記はパターンが決まっており、総仕上げ問題集の中からどれか2問が出題されます。今のうちに反復練習しておきましょう。
<簿記2級の各小問の傾向>
第1問
簿記2級の範囲が広くなったため、仕訳問題は過去問だけで対策すると漏れが出てきてしまいます。パブロフ簿記のアプリ、テキストや総仕上げ問題集で幅広く対策することが必要です。なお、仕訳問題は上記5つと下記5つは出題可能性が高いので、しっかり覚えておきましょう。
[その他、出題可能性が高い内容]
・関連会社株式の取得
・賞与の支払い(賞与引当金あり、源泉徴収あり)
・税効果会計(その他有価証券)
・減価償却 生産高比例法
第2問
前回の試験で有価証券の総合問題が出題されましたので、今回の試験は、リース取引の総合問題か、外貨建取引を含む商品売買の総合問題(受験生が見たことのない新しい問題)、理論の穴埋め問題の出題可能性が高いです。
◆リース取引の総合問題(総仕上げ問題集CH3-03)
オペレーティング・リース取引、ファイナンス・リース取引(利子抜法、利子込法)の損益計算書の金額、貸借対照表の金額を解答する問題
◆外貨建取引の総合問題
外貨建取引の掛け仕入、掛け決済、決算整理仕訳(外貨建債権債務の換算替え)の仕訳、損益計算書の為替差損、為替差益の金額、貸借対照表の現金預金、売掛金などの金額を解答することが予想されます。外貨建取引の仕訳を書けば、解答できる問題ですので、テキストで学習する仕訳の流れを覚えておけば、高得点が確保できますので、心配しなくて大丈夫です。
◆理論の穴埋め問題(総仕上げ問題集CH04-01~03)
第3問
前回の試験で連結精算表が出題されましたので、今回は個別財務諸表の問題が出題される可能性が高いです。特に、範囲改定で新しく範囲になったサービス業の損益計算書がまだ出題されていませんので、注意が必要です。仮に、サービス業の損益計算書が出題された場合、問題文の指示がわかりにくいこと予想されますので、役務収益と役務原価以外の部分(貸倒引当金、退職給付引当金、減価償却費、経過勘定など)を正確に解答し、7~8割の得点を目指すのが合格への近道です。
また、第3問で連結会計が出題される場合、連結精算表ではなく、連結財務諸表が出題される可能性が高いです。念のため、連結会計も対策をしておきましょう。
[その他、出題可能性が高い内容]
・個別の精算表
・連結1年度の連結財務諸表
第4問、第5問
ここ30回以上、似たような問題しか出ていません。工業簿記は範囲が広く、すべての分野の出題可能性は同じ状況です。苦手分野を作らないことが重要ですから、出題予想の内容ではなく、苦手な分野を克服する学習を進めていきましょう。
最近、標準原価計算、直接原価計算がよく出題されていますので、対策は万全に行っておきましょう。
[その他、出題可能性が高い内容]
・標準原価計算(原価差異分析)
・直接原価計算(CVP分析、固定費調整)
最後に
合格するために大切なことは、基本的な問題を確実に正解することです。難しい問題に注目してしまいますが、合格した人も難しい問題は正解していません。大切なのは、簡単な問題から順番に解くこと、苦手な分野を作らないこと、難しい問題に時間をかけすぎないこと、簡単な問題でミスしないこと、勘違いによるミスしないこと、を試験前に練習しておくことです。
まだ試験まで時間がありますので、6月の合格を目指して頑張りましょう!
2 Comments
パブロフくんにいつもお世話になってます。よせだ先生の本に出会い、こちらのブログで動画があることも知ってから、すごくわかりやすくて頭の中がシンプルになった気がします。独学なので本当に助かってます。今週2級を受けます。ラストスパートがんばります。
コメントありがとうございます。
動画解説がお役に立てたようで嬉しいです。合格を応援しています!ラストスパート、ファイトです♪