お兄さん、2024年4月から日商簿記の試験範囲が変わるの?
2024年度は試験範囲に変更はないんだよ。
そうなんだ~♪
2024年度の試験範囲の改定
日商簿記の試験範囲について、2024年度は試験範囲に変更はありません。つまり、前年度の2023年度と同じ試験範囲となります。
簿記3級の出題傾向の変化
2024年度の簿記3級の試験内容がどのようになるのか、前年度2023年度の試験内容から予想します。2023年度の簿記3級の試験の出題内容を見てみると、次の①~⑥の通りです。試験傾向の変化はテキスト2024年度版、総仕上げ問題集2024年度版に反映済みですので、ご安心ください。
①難問が出題されなくなった。
→昔の簿記3級の過去問に出題されていたような難問が出題されにくくなり、基本的な問題が出題されることがほとんどです。受験生が合格に必要とされる能力は次の通りです。
・基本的な仕訳は漏れなく書けること(第1問対策)
・総勘定元帳の問題が解けること(第2問対策)
・精算表と財務諸表の問題が解けること(第3問対策)
・時間内に早く解くこと、正確に解くこと(第2問、第3問対策)
第2問は補助簿の問題が出題されることも多いので、総勘定元帳に加えて、商品有高帳や固定資産台帳などの問題も事前に解いておくことが重要です。
②第1問の仕訳問題の出題される範囲が広くなった。
→テキストの仕訳(4コマ漫画の横に書いてある仕訳)や総仕上げ問題集の仕訳をバランスよく、漏れなく書けるようにしておくことが大切です。手軽に仕訳対策をしたい方は、仕訳の問題数が250問前後入っているパブロフ簿記3級のアプリもオススメです。
③伝票会計が第1問で出題されるようになった。
→2023年度は伝票会計が第1問の仕訳問題でたまに出題されました。伝票会計の重要度はかなり下がってきており、出題されても仕訳1問程度です。出題される内容は基本的なレベルなので、一部現金取引の伝票の2パターンの書き方と入金伝票、出金伝票、振替伝票をどのように書くのかを理解しておきましょう。
④第2問で理論問題がほぼ出題されなくなった。
→2023年度は理論問題の出題がより少なくなっており、ほとんど出題されなくなりました。総仕上げ問題集には理論問題を収録していますが、重要度はかなり下がっています。
⑤第2問は「総勘定元帳の問題」と「補助簿の問題」の2問がよく出題される
→総勘定元帳の問題、補助簿の問題がよく出題されます。苦手な受験生が多いので、たくさん問題を解いて書き方に慣れておきましょう。総仕上げ問題集2024年度版では、最近の試験でよく出題されている典型的な問題をたくさん収録しました。いろいろなパターンの問題に対応できるよう、事前に練習しておきましょう。
⑥統一試験とネット試験の難易度の違い
簿記3級に関しては統一試験とネット試験の難易度はほぼ同じになってきています。2023年度の試験をどちらも受験しましたが、私の感想では統一試験(紙の試験)よりネット試験の方が基本的な問題が出題されている感じがしました。書籍やアプリの作成のため、統一試験もネット試験もかなりの回数受験していますが、統一試験は細かい仕訳や応用的な仕訳、過去に出題されていない新作問題の出題がされることが多く、統一試験の方が試験対策はややしにくいという印象を受けています。
簿記2級の出題傾向の変化
2024年度の簿記2級の試験内容がどのようになるのか、前年度2023年度の試験内容から予想します。2023年度の簿記3級の試験の出題内容を見てみると、次の①~⑥の通りです。試験傾向の変化はテキスト2024年度版、総仕上げ問題集2024年度版に反映済みですので、ご安心ください。
①ネット試験は難問が出題されない。統一試験は一部難問が出題される。
→全体的には、難問や捨て問という出題は減ってきており、ネット試験に関しては難問はほぼ出題されず、基本的な問題が出題されることがほとんどです。一方、統一試験は一部難問が出題されており、事前対策が難しい内容のため、合格率が低くなっております。ただし、統一試験でも基本的な問題が多く出題されており、基本的な問題で得点を確実に確保するのが合格への近道というのは、ネット試験と変わりません。
受験生が合格に必要とされる能力は次の通りです。
・商業簿記の基本的な仕訳は漏れなく書けること(第1問)
・連結会計が解けること(第2問対策)
・株主資本等変動計算書が書けること(第2問対策)
・固定資産、有価証券、商品売買の総合問題が解けること(第2問対策)
・財務諸表の問題が解けること(第3問対策)
・本支店会計の財務諸表、本店の損益の問題が解けること(第3問対策)
・工業簿記の仕訳を書けること(第4問(1)対策)
・個別原価計算、部門別計算、総合原価計算が解けること(第4問(2)対策)
・標準原価計算の原価差異分析が解けること(第5問対策)
・CVP分析、直接原価計算の損益計算書が解けること(第5問対策)
・時間内に早く解くこと、正確に解くこと
簿記2級は問題を解くスピードと時間が重要で、全体90分のうち工業簿記20~30分、商業簿記60~70分が時間配分の目安です。
②仕訳問題の出題される範囲が広く、配点が大きくなった。
→仕訳問題は商業簿記で20点、工業簿記で12点の合計32点の配点があります。簡単な仕訳から細かい仕訳(賞与引当金や保証債務など)も出題されています。対策としてはテキストの仕訳(4コマ漫画の横に書いてある仕訳)や総仕上げ問題集の仕訳をバランスよく、漏れなく書けるようにしておくことが大切です。手軽に仕訳対策をしたい方には、仕訳の問題数が商業340問前後、工業90問前後入っているパブロフ簿記2級のアプリがオススメです。
③第2問は連結会計か株主資本等変動計算書が出題されることが多い。
→第2問では連結会計(連結精算表、連結財務諸表)か個別財務諸表の株主資本等変動計算書が出題されることが多いです。もちろん、固定資産、有価証券、商品売買の総合問題が出題されることもあります。第2問対策の優先順位としては、まずは連結会計と株主資本等変動計算書の問題を何度も解くことが重要です。
④第2問で理論問題が出題されなくなった。
→2022年度、2023年度は理論問題の出題されていません。このため、総仕上げ問題集には理論問題を削除しました。
⑤第3問は本支店会計もたまに出題される
→第3問対策で個別財務諸表の貸借対照表、損益計算書が非常によく出題されています。受験生の中には本支店会計は出題されないから対策をしていない、という声も聴きますが、出題頻度は高くはありませんがたまに出題されています。本支店会計は出ない、と思っていたら出題された…ということがないように、総仕上げ問題集の本支店会計の問題を解いておきましょう。
⑥第5問工業簿記は事前対策できる問題が出題される
→2022年度までにいろいろな形式の新しい問題が出題されましたが、その後は落ち着いており、この内容は総仕上げ問題集に収録しました。2023年度の試験では、総仕上げ問題集に収録されている問題の出題が続いており、事前対策がしやすくなっています。2024年度も同様の問題が出題されることが予想されます。
⑦統一試験とネット試験の難易度の違い
統一試験(紙の試験)よりネット試験の方が基本的な問題が出題されていると感じます。2023年度の試験では、統一試験の合格率12%、ネット試験の合格率37%と大幅に差が開いております。書籍やアプリの作成のため、統一試験もネット試験もかなりの回数受験していますが、現状ではネット試験の方が基本的な問題が多く、事前学習が得点につながりやすい問題が多いです。統一試験は見たことがない難問、過去に出題されたことがない細かい内容が出題されることが多い印象を受けています。
簿記2級を受験されるのでしたら、ネット試験がオススメです。
2023年度のテキストは使えるのか?
新しく勉強を始める人は2024年度版を買うのがオススメです。
すでに勉強をしている方(2023年度版で勉強している方)は、そのまま続けて構いません。
2024年度の試験形式
2023年度と同じく統一試験(年3回の紙の試験)、団体試験、ネット試験の3つの方法で受験ができます。
◆統一試験(年3回の紙の試験)
試験時間は3級60分、2級90分です。
◆団体試験
団体申し込みの試験は学校や会社単位で受験することができます。
試験時間は3級60分、2級90分です。
◆ネット試験(CBT試験)
受験会場で毎日実施されるCBT方式の試験です。申込日から3日後以降ならいつでも受験でき、何度でも受験することができます。試験時間は3級60分、2級90分です。
出題形式と内容
出題内容とポイントについて詳しく説明します。
<簿記3級>
・第1問と第3問の配点が大きいため、第1問と第3問対策が重要になります。
・第2問は勘定記入の問題がよく出題されますので、練習しておきましょう。
・決算整理後残高試算表は出題されます。期中に作成する試算表は出題されなくなりました。
出題内容 | 総仕上げ問題集との対応 |
第1問 仕訳15問(45点) | Ch1 仕訳 |
第2問 (20点) (1)と(2)で合計2問が出題 ・補助簿の選択問題、記入問題 ・勘定記入の問題 ・理論問題の選択問題 ・伝票会計の穴埋め問題 |
Ch2 現金実査と貯蔵品の棚卸し、証ひょう Ch3 勘定の記入 Ch4 補助簿 Ch5伝票会計(伝票の穴埋め等) Ch6理論問題 |
第3問(35点) ・決算整理前残高試算表 ・精算表 ・財務諸表 |
Ch7 決算整理前残高試算表 Ch8 精算表 Ch9 財務諸表 |
<簿記2級>
・基本的な問題が素早く解けるかどうかが重要。難問対策は不要。
・第1問の仕訳問題は内容も横断的に出題されるため、テキストレベルの仕訳を漏れなくカバーしておくことが大切です。
・第2問で連結会計が出題される可能性は50%以上と考えて、連結会計対策が必須。
・第4問(1)の対策として、工業簿記の仕訳対策が重要。出題パターンが決まっている簡単な問題で配点が12点もある。
・第5問で新傾向の問題が出題されているので、最新の書籍で対策するのがオススメです。初めてみると解けないが、類題を解いていれば簡単な問題。
出題内容 | 総仕上げ問題集との対応 |
第1問 仕訳5問(20点) | Ch1 仕訳 |
第2問 (20点) ・株主資本等変動計算書 ・銀行勘定調整表 ・固定資産や有価証券の総合問題 ・連結精算表 ・連結財務諸表 |
Ch2 現金預金・商品売買 Ch3 固定資産・有価証券 Ch4 理論 Ch6 株主資本等変動計算書 Ch8 連結会計 |
第3問(20点) ・精算表 ・財務諸表 ・本支店会計 |
Ch5 精算表 Ch6 財務諸表 Ch7 本支店会計 |
第4問(1)(12点) 仕訳3問 ・費目別計算 ・本社工場会計 |
Ch1 仕訳 |
第4問(2)(16点) ・個別原価計算 ・部門別原価計算 ・製造原価報告書と損益計算書 ・総合原価計算 ・標準原価計算 |
Ch2 費目別計算 Ch3 部門別計算 Ch4 個別原価計算 Ch5 製造原価報告書・損益計算書 Ch6 総合原価計算 Ch7 工程別総合原価計算 Ch8 組別総合原価計算 Ch9 等級別総合原価計算 Ch10 標準原価計算 |
第5問(12点) ・標準原価計算の原価差異分析 ・直接原価計算のCVP分析 ・直接原価計算の損益計算書 |
Ch10 標準原価計算の原価差異分析 Ch11 直接原価計算 |
2024年度のパブロフのテキスト
2024年度の統一試験(紙の試験)、団体試験、ネット試験に対応した書籍は次のものです。
テキスト&問題集は、テキストの内容から作成したネット試験の模擬問題1回分付き。
総仕上げ問題集はネット試験の模擬問題2回分付き。簿記2級は工業と商業で内容が異なるので、4回分解くことができます。
<パブロフの書籍>
▼Amazon限定セット
簿記3級テキストと総仕上げ問題集
限定セット販売(特典付箋付き)
商業簿記テキストと総仕上げ問題集
限定セット販売(特典付箋付き)
工業簿記テキストと総仕上げ問題集
限定セット販売(特典付箋付き)
▼書籍一覧
2024年度のパブロフのアプリ
パブロフ簿記アプリの2024年度版へのアップデートは2022年4月中を予定しています。有料版につきましては、2023年度版をご購入の方は無料で2024年度版へアップデートできます。
4 Comments
2022年度版の教科書を使って合格することはできますか?
できます
コメントありがとうございます。
合格することはできますので、そのままお使い頂けますと幸いです。
ご返信ありがとうございます。
2022年度版だと抜けがあるのではないかと心配していました💦