A 本社工場会計は、一部の勘定科目に関して工場で記帳する点がポイントです。つまり、「工場で使用できる勘定科目が限定されている」ということが重要です。例題を使って、説明します。
例題:当月の機械の減価償却(当月の減価償却費300,000円)を行った。なお、工場で使用する勘定科目は次の勘定科目に限る。
材料 仕掛品 賃金・給料 製造間接費 本社
解説
問題文に「工場で使用する勘定科目は次の勘定科目に限る。」と指示があります。つまり、工場側の仕訳を書く場合、5つの勘定しか使えないということです。仕訳を書くための考え方の流れは次のとおりです。
本来、下記の仕訳を書きたい。
減価償却費300,000/機械減価償却費累計額300,000
↓
しかし、工場側の帳簿は5つの勘定科目しか使えない。減価償却費は間接経費なので、製造間接費を使うことができる。
製造間接費300,000/
↓
機械減価償却累計額は使えないので、本社を使う。
製造間接費300,000/本社300,000
工場側の仕訳を書く(勘定科目に制限がある)、その後に本社側の仕訳を書く、という流れが大切です。この点を意識して問題を解いてみましょう。