Q 連結修正仕訳の開始仕訳を書く場合、前期の連結会社間の取引の消去(内部取引と債権債務の相殺消去)を書かないのはなぜでしょうか?書く場合と書かない場合の違いを教えてください。

A 前期までの連結会社間の取引の消去(内部取引と債権債務の相殺消去)については、開始仕訳は書きません。例外として、貸倒引当金の調整と未実現利益の消去の仕訳だけは、開始仕訳を書きます。

●連結会社間の取引の消去について、開始仕訳を書かない理由
連結会計は、事務処理の手間を減らすため、最低限必要なものだけを仕訳として書くことを重視しています。連結子会社が数百社もある会社で、過去の連結修正仕訳をすべて書くと大変なので、開始仕訳では一部しか書かない、という考えで、ルールが作られています。
連結会計の開始仕訳として書くのは「前期以前の連結修正仕訳のうち、純資産に影響があるもの」だけです。つまり、過去の連結修正仕訳のうち、純資産が増える・減る取引だけを開始仕訳として書きます。

●開始仕訳の対象となるもの
 連結修正仕訳のうち、開始仕訳の対象となるのは次のとおりです。

<資本連結>
①投資と資本の相殺消去 →開始仕訳を書く。
②のれんの償却 →開始仕訳を書く。
③当期純利益の振り替え →開始仕訳を書く。
④配当金の修正 →開始仕訳を書く。

<成果連結>
連結会社間の取引の消去 → 開始仕訳を書かない。
⑥貸倒引当金の調整 →開始仕訳を書く。
⑦未実現利益の消去 → 開始仕訳を書く。

4 Comments

  1. ソンピョン on 2020年12月30日 at 18:36

    いつもお世話になっております。テキストを何度も解くうちに理解が深まっていきます!わかりやすいテキストをありがとうございます。
    連結会計に必要な仕訳のうち、連結会社間の取引の消去についてご質問です。こちらは純資産の変動がないため開始仕訳は必要ないとのことなのですが、その理由がわからずもやもやしています。特に売上高/売上原価の相殺、受取利息/支払利息の相殺については費用項目も関わるため当期純利益にも影響し、それが繰越利益剰余金→利益剰余金となり、最終的に純資産に影響しているのではないかと考えています。また、ダウンストリームの場合も、売上高/売上原価を相殺する仕分けを書いた後、上記のような考えで利益剰余金の変動に影響があると思い、「子会社の当期純利益の振り替え」の仕訳を書きたくなってしまいます。
    長くなってしまいましたが、連結会社間の相殺が、純資産の変動に影響しない理由について詳しくお伺いしたいです。
    お返事お待ちしております。

    • パブロフくん on 2021年1月7日 at 17:20

      テキストをお使いくださり、ありがとうございます。
      連結会計は細かく考えるとわからなくなってしまいますよね。ポイントは「連結グループ全体」で正しい金額になっていることが連結会計の目的です。それ以外の考え方は些細な論点にすぎません。

      親会社の利益と子会社の利益、と分けて考えると混乱しますが、「連結グループ全体でみると収益の減少と費用の減少で純資産に影響がない」と考えてみてください。
       売上高100/売上原価100
      収益が100減った、費用が100減ったので、当期純利益に与える影響はゼロです。

      連結会計の場合、グループ全体で正しい金額になればよいと考えるため、基本的に「内部取引の相殺消去」だけで終わりなのです。理由は子会社が数百社もあることも多く、細かい調整する手間やコストを排除したいためです。
      なお、貸倒引当金や未実現利益の場合、特別な処理を行う必要があるので、子会社の当期純利益の振り替えも特別に行っているのです(これが些細な論点です)。

      • ソンピョン on 2021年2月6日 at 11:37

        お返事ありがとうございました!とてもよくわかりました。問題を解いた時も、その考え方を思い出して納得しながら解けました。

        • パブロフくん on 2021年2月7日 at 17:07

          解決したようで良かったです♪

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