Q 簿記2級を受験するのですが、工業簿記と商業簿記のどちらからスタートするのがオススメですか?

A 最近の試験は工業簿記が簡単で、商業簿記が難しいという傾向が続いています。また、工業簿記の方が試験範囲が少なく、満点が取りやすいので工業簿記を仕上げてから、商業簿記に進むのがオススメです。

オススメしたのですが、勉強の進め方は人それぞれですので商業簿記と工業簿記のどちらから学習を始めても大丈夫です。工業簿記に飽きたら、商業簿記を学ぶ、というように交互に進めても良いでしょう。また、集中力が続かない人は、工業簿記と商業簿記を同時並行に進めても構いません。

工業簿記と商業簿記で、どれくらい勉強時間がかかるのか、詳しく説明すると次のとおりです。

<学習時間の内訳>
①工業簿記 テキスト 17時間
②工業簿記 総仕上げ問題集 54時間×3回=162時間
③商業簿記 テキスト 43時間
④商業簿記 総仕上げ問題集 57時間×3回=171時間
⑤合計393時間

工業簿記の方が量が少ないので、工業簿記からスタートするのがオススメです。
①工業簿記のテキストを読み、練習問題を解いた場合、約17時間(1,020分)かかります。
②工業簿記の総仕上げ問題集を1問ずつ目標時間で解いた場合、1周解くのに17.9時間かかりますが、実際には1回目に目標時間内に解くのは難しいです。1回目は倍以上かかると思いますので、復習を入れると1周は54時間程度かかります。
③商業簿記のテキストは、ボリュームが多く、連結会計に時間がかかるため、43時間(2,560分)かかります。
④商業簿記の総仕上げ問題集を1問ずつ目標時間で解いた場合、1周解くのに19時間か(1,140分)かりますが、実際には1回目に目標時間内に解くのは難しいです。1回目は倍以上かかると思いますので、復習を入れると1周は57時間程度かかります。

確実に合格するためには、総仕上げ問題集を3回は解いた方が良いので、勉強時間は393時間かかります。
工業簿記 テキスト17時間+総仕上げ問題集54時間×3回=179時間
商業簿記 テキスト43時間+総仕上げ問題集57時間×3回=214時間

簿記が得意な方は、総仕上げ問題集を2回解き、勉強時間は282時間で合格レベルまで達するかもしれません。
工業簿記 テキスト17時間+総仕上げ問題集54時間×2回=125時間
商業簿記 テキスト43時間+総仕上げ問題集57時間×2回=157時間

①工業簿記 テキストと学習時間の目安
※学習時間には、テキストを読み、練習問題を解く時間が含まれている

  学習時間(分)
CH1 工業簿記とは 20
CH2 材料費 60
CH3 労務費 60
CH4 経費 30
CH5 製造間接費 30
CH6 勘定記入と財務諸表 80
CH7 製造間接費の部門別計算 80
CH8 個別原価計算 60
CH9 総合原価計算① 100
CH10 総合原価計算②仕損・減損 80
CH11 総合原価計算 工程別・組別・等級別 60
CH12 標準原価計算 180
CH13 直接原価計算 100
CH14 本社工場会計 30
  1,020


②工業簿記 総仕上げ問題集の各問題の目標時間
※問題を解く目標時間なので、この時間には解説を読み、復習する時間は含まれていない。初めて問題を解く場合、問題を解くのに目標時間の1.5~2倍近く時間がかかるため、採点や復習をすると2~3倍の勉強時間がかかる。

  目標時間(分) 学習時間(分)
CH1 費目別計算 115 345
CH2 製造間接費の部門別計算 88 264
CH3 個別原価計算 80 240
CH4 製造原価報告書・損益計算書 50 150
CH5 本社工場会計 30 60
CH6 単純総合原価計算 70 210
CH7 工程別総合原価計算 48 144
CH8 組別総合原価計算 70 210
CH9 等級別総合原価計算 27 81
CH10 標準原価計算 76 228
CH11 直接原価計算 180 540
CH12 模擬問題 240 480
  1,074 2,952


③商業簿記 テキストと学習時間の目安
※学習時間には、テキストを読み、練習問題を解く時間が含まれている

  学習時間(分)
CH1 費用・収益の認識基準 20
CH2 商品売買・サービス業 90
CH3 売上原価 30
CH4 外貨建取引 180
CH5 手形・債権の譲渡 80
CH6 当座預金の銀行勘定調整表 60
CH7 固定資産 240
CH8 リース取引 60
CH9 有価証券 180
CH10 引当金 90
CH11 純資産 80
CH12 税金 180
CH13 その他の論点 50
CH14 精算表・財務諸表 200
CH15 本支店会計 120
CH16 連結会計 900
  2,560


④商業簿記 総仕上げ問題集の各問題の目標時間
※問題を解く目標時間なので、この時間には解説を読み、復習する時間は含まれていない。初めて問題を解く場合、問題を解くのに目標時間の1.5倍近く時間がかかるため、採点や復習をすると2倍の勉強時間がかかる。

  目標時間(分) 学習時間(分)
CH1 仕訳 170 340
CH2 現金預金・商品売買 70 210
CH3 固定資産・有価証券 105 315
CH4 理論 15 30
CH5 精算表 80 160
CH6 財務諸表 180 360
CH7 本支店会計 70 140
CH8 連結会計 210 630
CH12 模擬問題 240 480
  1,140 2,665