2016年度の範囲改正により、簿記3級の学習内容が変更される論点です。5伝票制は出題されなくなります。
お兄さん、伝票会計のお勉強していたんだけどね、伝票なんかなくても最初から仕訳書けばいいんじゃないの?
お、スルドイ指摘だね、パブロフくん。
ほめられちゃった~。
確かにパブロフくんみたいに1人でお店をやっていれば、伝票なんかなくても最初から仕訳を切ればいいんだ。でも、たくさんの営業マンがたくさんの得意先に行って、それぞれ売り上げたら、パブロフくんどうなるかな?
うーん。営業マンさんたちに売上の金額をメモしてもらって、お店に帰ってきたときにメモをもらわないと、パブロフ仕訳書けない~。
そう!そのメモのことを伝票と言うんだよ。営業マンたちに一定のルールに従って伝票を書いてもらえば、仕訳を書くときにスムーズだから、伝票にはルールがあるんだよ。
※2016年度以降の日商簿記では、5伝票制は範囲外となりました。本ページも3伝票制のみ解説しています。
伝票のルール
① 現金を受け取る → 入金伝票を使う → 現金 xx/○○ xx
この場合の仕訳は、
現金 20,000/売上 20,000
② 現金を支払う → 出金伝票を使う → ○○ xx/現金 xx
この場合の仕訳は
買掛金 10,000/現金 10,000
③ 振替伝票はすでに仕訳と同じになっている
この場合の仕訳は
車両 200,000/未払金 200,000
3伝票制は、入金伝票、出金伝票、振替伝票の3つの伝票を使う方法。
これだけ?伝票の問題って、もっと難しいような…。
伝票のルールは、実はこれだけなんだよ。どんなに難しい問題も、これを組み合わせているだけなんだ。
3伝票制(2つの方法)
1.取引を分解する方法
次の取引を、答案用紙の各伝票に記載しなさい。なお、当店は3伝票制を採用しており、出金伝票には実際の現金収支額のみを記入するものとする。
商品¥300,000を仕入れ、代金は現金¥100,000と前払金¥100,000で充当し、残額は掛とした。
<解答>
<解き方>
① 3伝票制なので「仕入伝票」は使わない
② 実際に出金した¥100,000を出金伝票に記載する
(借方)仕入 100,000 (貸方)現金 100,000
③ 残りを振替伝票に記載する
(借方)仕入 200,000 (貸方)前払金 100,000
買掛金 100,000
<解説>
仕訳を書くと次のようになります。
(借方)仕入 300,000 (貸方)現金 100,000
前払金 100,000
買掛金 100,000
しかし、問題文に「出金伝票に実際の現金収支額のみを記入する」と指示があるので、取引を分解して伝票に記載します。
(借方)仕入 100,000 (貸方)現金 100,000
(借方)仕入 200,000 (貸方)前払金 100,000
買掛金 100,000
2.取引を擬制(ぎせい)する方法
次の取引を、答案用紙の各伝票に記載しなさい。なお、当店は3伝票制を採用しており、支払総額を出金処理し、前払金を入金処理する方法によるものとする。
商品¥200,000を仕入れ、代金は現金¥100,000と前払金¥100,000で充当した。
<解答>
<解き方>
① 3伝票制なので「仕入伝票」は使わない
② 一旦、支払総額を出金伝票に記載する
(借方)仕入 200,000 (貸方)現金 200,000
③ 実際は出金していない前払金¥100,000を入金伝票に記載する
(借方)現金 100,000 (貸方)前払金 100,000
<解説>
仕訳を書くと次のようになります。
(借方)仕入 200,000 (貸方)現金 100,000
前払金 100,000
しかし、問題文に「支払総額を出金処理し、前払金を入金処理する方法によるもの」と指示があるので、取引を擬制して伝票に記載します。
(借方)仕入 200,000 (貸方)現金 200,000
(借方)現金 100,000 (貸方)前払金 100,000
まとめ
① 現金を受け取る→入金伝票を使う→現金 xx/○○ xx
② 現金を支払う →出金伝票を使う→○○ xx/現金 xx
③ 振替伝票は仕訳と同じ
『3伝票制』は入金伝票、出金伝票、振替伝票を使う方法。
色々なパターンの問題や、伝票から仕訳を書く問題でも、ルールさえ覚えておけば大丈夫!過去問や問題集で慣れるといいよ。
うん!!パズルみたいで楽しいね♪
5 Comments
ごめんなさい。先ほどの質問ですが、総仕上げ集をよく読んだらちゃんと書いてありましたね。「同じ日付の場合は順番は決まっていない」とのことで、理解いたしました。
すみませんでした^^;
解決できたようで良かったです。
簿記2級の合格を応援しています!
勉強頑張ってください♪
こんにちは。2級試験に向けて勉強中です。
また質問したいことがありまして、お時間がありましたらご回答お願いいたします。
2級の第二問(140回等)に出てくる伝票会計から仕訳日計表を作成して総勘定元帳と得意先元帳へ転記する問題についてなのですが、総勘定元帳と得意先元帳へ転記する順番には決まりがあるのでしょうか?
例えば、テキスト特典実践問題6回分のうち5回目の第二問では、解答が残高まで帯がかかっている所がありまして、順番が変わると残高部分も変わってしまうと思うのですが。
そこらへんを教えていただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。m(__)m
テキストと前のブログにもお世話になってます。
伝票の図ですが、1と2の説明と逆になっているかと思います。
ぼちょるさん、コメントありがとうございます。
伝票の図が逆になっておりまして、大変申し訳ございませんでした。修正致しました。引き続きよろしくお願い致します。