パブロフくん、問題文を読んだとき、仕訳すぐに書ける?
書けないの~。えーっとえーっと、、、って時間かかっちゃう。
じゃあ今日は、仕訳が速く書けるようになる練習をしようか。
仕訳を書くときの思考プロセス
例題:次の取引について仕訳しなさい。備品¥300を購入し、代金は現金で支払った。
<よくある解説> 有形固定資産を購入した場合、資産が増加する。このため借方に備品300が計上される。また、現金払いのため資産が減少するので、貸方に現金300が計上される。 |
よくある解説の問題点
●借方が右側なのか左側なのか、わかりにくい。
●資産が借方なのか貸方なのか、わかりにくい。
●資産が減少した場合、借方なのか貸方なのか、わかりにくい。
よくある解説の場合、仕訳をどのように書くのかがわかりにくいです。
まず、借方と貸方という用語は使う必要はありません。混乱を招く根源です。もし覚えていなかったとしても、借方と貸方が左右のどちらかわからなくなった場合、答案用紙に書いてありますので見れば済みます。
また、仕訳を書くときには、左側に書くのか、右側に書くのか、が重要になります。確かに貸借対照表と損益計算書を作る時には、資産や負債を分けて考える必要はありますが、仕訳を書く時には、その科目が資産か負債かなどは、判断しなくても大丈夫です。
仕訳のスピードアップ
その勘定科目がどうなったのか、下記の2点だけを判断して仕訳を書く練習をすると、仕訳を書くのが劇的に速くなります!
■ 左側にある科目なのか、右側にある科目なのか(勘定科目の位置)
■ それが増えたのか減ったのか
仕訳を書くときの思考プロセスを文章にした解説は次のようになります。
<パブロフ流の解説> ① 備品は左にあるもの。 ② 現金は左にあるもの。 |
思考プロセスの比較
まとめると次のようになります。パブロフ流の思考プロセスの方が単純で早いです。
<よくある解説の思考プロセス>
①備品は資産→②資産は借方→③備品が増えたので借方に書く→④借方は左側なので、左側に書く。
<パブロフ流の思考プロセス>
①備品は左側の勘定科目→②備品が増えたので左側に書く。
パブロフくん、「固定資産売却益」が発生したら?
右にあるものが増えたから、右に「固定資産売却益」!
「借入金」を返済したら?
右にあるものが減ったから、左に「借入金」!
最初に書く勘定科目は?
勘定科目と勘定科目の左右には、覚えやすいものと覚えにくいものがあります。すべて覚えるのではなく、覚えやすいものをいくつか覚えて、覚えやすいものから中心に仕訳を書くと楽です。
たとえば、
現金、当座預金は明らかに【資産】で左とわかります。
このように現金や預金が関わるものについては、現金や預金を中心に考えるとわかりやすいです。
<問題1>
次の取引について仕訳しなさい。収入印紙¥30を、現金で購入した。
<解答>
(借方)租税公課 30 (貸方)現金 30
<解説>
① 現金の減少 → 「現金」を右に書く。
② 空いている、左に「租税公課」を書く。
また、現金や預金が出てこない場合には、よく出てくる売上・仕入などを中心に考える場合もあります。
<問題2>
次の取引について仕訳しなさい(三分法)。商品¥500を売り上げ、代金¥500は掛けとした。
<解答>
(借方)売掛金 500 (貸方)売上 500
<解説>
① 売上の増加 → 「売上」を右に書く。
② 空いている、左に「売掛金」を書く。
まとめ
① 勘定科目が左にあるものか、右にあるものか、練習して頭に入れておく
② 問題文から増減を読み取り、仕訳を書く。
●左にあるもの 増えた → 左 減った → 右 |
●右にあるもの 増えた → 右 減った → 左 |
③ すべての勘定科目の位置を覚えなくても、知っている科目を中心に仕訳を組み立てればよい。
わーい。だんだん仕訳を書くのがはやくなってきた!
12 Comments
簿記試験の解答用紙の解答の勘定科目が長く1ますに書きれない場合答案用紙の2ますに書いてもよいか教えてください
採点する方もわかっていますので、大丈夫だと思いますよ。
仕訳帳の記入する順番ですが、基本的に借方→貸方の順に上から書いていくと思います。
しかし、例えば売上に対する諸口(現金と売掛金)がある場合、貸方である売上の行の下にに現金、売掛金と記載されてある問題を見ました。
諸口の場合は特別でしょうか?
コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、諸口の場合、そのように書くことがございます。
ありがとうございました。
テキストを使わせていただいているものです。(独学)
現在11/15の2級試験に向けて学習しています。
根本的な質問で申し訳ないのですが、仕訳の回答を書く際に、勘定科目の金額はどの程度まとめるべきでしょうか?
例えば、税効果会計でその他有価証券の評価の問題、時価5000円プラス、法人税率30%(過去問でありました)、過去問はその他有価証券評価差額金がまとめられてました
仕訳1
借方その他有価証券5000
貸方その他有価証券評価差額5000
仕訳2
借方その他有価証券評価差額金1500
貸方繰延税金資産1500
といった場合や連結会計会計の仕分けの場合、同じ科目で貸借両方に同じ科目がある場合があると思います。
回答として目安等ありましたら、教えていただきたいです。
テキストをお使いくださり、ありがとうございます。
その他有価証券の税効果会計の場合、本試験では②合算しない仕訳は不正解として扱われました。
①合算する仕訳
その他有価証券5,000/その他有価証券評価差額3,500
繰延税金資産1,500
②合算しない仕訳
その他有価証券5,000/その他有価証券評価差額5,000
その他有価証券評価差額金1,500/繰延税金資産1,500
同じタイミングで行われた取引は基本的に合算して解答しますが、別々に書く指示がある場合には、合算せずに別々に書くことになります。
テキストや総仕上げ問題集の模範解答のとおり、仕訳を書けば大丈夫です。
パブロフくんが面白いです。
小学生の時に、この書籍に出会っていれば簿記の道に進んでいたと思います。
「前払金」の仕訳で混乱中、ホームポジションが「資産」とは腑に落ちず調べると、両方の属性がある勘定科目も中にあるようで、取引の時系列を読み取るのも大切だと学びました。
生涯学習とおもい取り組んでいきます。
コメントありがとうございます。
取引の結果、どれだけ現金や預金を増やしていけるのかを簿記を通じて理解していくと面白いかもしれません。
問題を読んだ時に、これはどの部分の仕訳をしたら良いのか迷います。
その前後の仕訳まで書いてしまったり、同じ勘定科目をまとめて書いてしまったりで苦戦しています。
銀行勘定調整表の仕訳で「決算にあたり」で始まっている問題なのに、雑損や雑益まで書くことを要求していなかったり……。
法律系士業の国家資格有資格者なので、読解力はそれなりにあるつもりでしたが、簿記は本当にわかりにくいです。
問題量を解くことしかないのでしょうか?
簿記は取引の時系列が重要です。テキストで4コマ漫画のどこで仕訳が発生するのかを把握しておけば、問題で間違えることはないと思います。
一度、簿記3級のテキストに戻って、期中取引の仕訳と決算整理仕訳を練習してみてはいかがでしょうか。そして、簿記3級の試算表と精算表、財務諸表で簿記一巡の流れが書いてありますので、そちらの合わせて練習してみてください。簿記3級の2時間問題を解くと感覚がつかめるのでオススメです。
なお、銀行勘定調整表の問題で雑損や雑益は出てこないと思いますので、今のうちにテキストP.110~120を確認しておきましょう。
ありがとうございました