トップページ > 日商簿記2級商業簿記 > 株主資本等変動計算書 > はじめての株主資本等変動計算書の書き方


はじめての株主資本等変動計算書の書き方

テーマ: 株主資本等変動計算書

パブロフくんびっくり   ぎょっ!

お兄さんふつう2今日はどうしたの?パブロフくん。

パブロフくんあせるお兄さん、これ見て!パブロフ初めて見た!

お兄さんふつう2それは株主資本等変動計算書っていうんだよ。

 

2014年11月に行われた日商簿記2級の第2問で初めて出題されました。今後も出題が予想されますので、書き方を学ぶ必要があります。

 

株主資本等変動計算書とは

株主資本等変動計算書(かぶぬししほんとうへんどうけいさんしょ)は損益計算書、貸借対照表とならぶ財務諸表の一つです。

株主資本等変動計算書とは、貸借対照表の「純資産の部」を切り取って、当期の増加と減少の内訳を記載した報告書です。これには、①株主資本、②評価・換算差額等、③新株予約権の増減内訳が記載されるので、株主資本変動計算書という名前になっています。しかし、日商簿記2級の範囲は①だけなので、本記事では①について説明します。

株主資本等変動計算書の解き方01

株主資本等変動計算書の解き方02

株主資本等変動計算書の書き方

株主資本等変動計算書は、大きく分けると当期首残高、当期変動額、当期末残高の3つを記入します。それぞれ見ていきましょう。

1.当期首残高

まず、「当期首残高」に記入します。金額は、「前期の株主資本等変動計算書『当期末残高』」または「前期の貸借対照表『資産の部』」から取ってきます。

株主資本等変動計算書の解き方03

2.当期変動額

次に、当期、純資産の部に変動があった項目を記入します。詳しくは後述します。

株主資本等変動計算書の解き方04

3.当期末残高

最後に、当期末残高を記入します。

株主資本等変動計算書の解き方05

仕訳と株主資本等変動計算書

上記2.当期変動額の書き方について説明します。ここでは例題を使って仕訳をどのように記載するのか見ていきましょう。

例題

次の取引について、株主資本等変動計算書に記入しなさい。
(1)株主総会において、利益剰余金を財源として100,000円の配当が承認された。なお、会社法で規定する額の利益準備金を計上する。

(2)1,600,000円の増資を行い、払込金は全額当座預金に預け入れた。なお、資本金は会社法が認める最低額を計上する。

(3)株式会社宮城物産を吸収合併した。宮城物産の資産は、建物450,000円(時価500,000円)、商品80,000円(時価100,000円)、負債は借入金200,000円(時価200,000円)であった。合併の対価として、当社の株式1,000株(時価@400円)を交付したが、資本金増加額は200,000円、資本準備金増加額は200,000円とした。※

(4)決算の結果、当期純利益985,000円を計上した。

 答案用紙はこちらからダウンロードできます。

 

※参考(難しいので理解しなくてOK)
吸収合併の場合、合併契約書に従い、資本金と資本準備金などの金額が決まります。増資のように半分以上を資本金とする訳ではなく、日商簿記138回のように資本金10,000千円、資本準備金12,000千円、その他資本剰余金3,600千円増加した、という場合もあります。ただし、出題されても問題文に金額が書いてありますので、金額をそのまま写せば大丈夫です。その他資本剰余金が出てくる合併の仕訳は簿記1級の範囲だと思いますので、例題では簡単な問題を使って説明しています。

 

解答

(1)剰余金の配当の仕訳

繰越利益剰余金 110,000 / 未払配当金 100,000
                利益準備金  10,000

株主資本等変動計算書の解き方06

2.新株の発行の仕訳

当座預金 1,600,000 / 資本金 800,000
              資本準備金 800,000

株主資本等変動計算書の解き方07

3.吸収合併の仕訳

建物 500,000 / 資本金 200,000
仕入 100,000   資本準備金 200,000
           借入金 200,000

株主資本等変動計算書の解き方08

4.当期純利益の仕訳

損益 985,000 / 繰越利益剰余金 985,000

株主資本等変動計算書の解き方09

まとめ

・株主資本等変動計算書とは、純資産の部の増減が書いてある。
・書き方はとても簡単。

 

お兄さんふつう2わかってしまえば結構簡単でしょ?

パブロフくんふつううん、パブロフよくわかった!

 

タグ:, , ,


コメント (22)
  • ポムポムプリン より:

    よせだ先生、おはようございます。
    さて、パブロフ商業簿記第2版の問題・株主資本等変動計算書の練習問題で質問なのですが、株式会社の吸収合併にあたりのれんが発生していないのですが、必ずしも吸収合併でのれんが発生するわけではないという認識でいいのでしょうか。
    お忙しいところ大変お手数をおかけするとは思いますが、何卒解説の程よろしくお願いいたします。

    • パブロフくん より:

      P.252の例ですと、現金を400円で吸収合併した場合、のれん、負ののれん発生益がどちらも発生しません。
      仕訳の書き方で、貸借差額で計算すると書いてある場合、貸借差額が0なら、その勘定科目は発生しないと考え頂いて大丈夫です(固定資産売却損、固定資産売却益が発生しない場合があるのと同様の考え方です)。

      簿記の試験では、株主資本変動計算書の問題において、難易度を下げるために、のれんが発生しない場合の吸収合併が出題されます(第138回、第142回)。このため、練習問題も過去問の出題に合わせて、のれんが発生しない場合で掲載しています。株主資本変動計算書には、のれんを記載しませんので、のれんの有無は関係ないためこのような出題を行っています。

      • ポムポムプリン より:

        よせだ先生、こんにちは。
        詳細な解説、大変有難うございました。

        実際に、以前142回3級の試験を受けた際に請求して取り寄せた解答解説集を見て確認したところ、吸収合併においてのれんは発生しておりませんでした。また、のれんは株主資本等変動計算書には必要ないということも知れて大変参考になりました。

        この論点で一番面倒なその他資本剰余金と繰越利益剰余金を財源としたときの按分計算に注意して再度勉強し、得意論点にしたいと思います。

        お忙しいところ返信いただきましてありがとうございました。今後とも宜しくお願い致します。

        • パブロフくん より:

          株主資本変動計算書は純資産の増加と減少の内訳を報告する書類ですので、資産(のれん)や負債は明記されません(P.320参照)。
          少しわかりにくいところにありますが、その他資本剰余金の配当はP.234の豆知識に書いてありますので、ご参照頂けますと幸いです。
          2月の試験に向けて勉強頑張りましょう♪

  • 悩める事務屋さん より:

    お世話になっております。パブロフ日商簿記2級第2版を見ています。
    株主資本等変動計算書で、その他有価証券評価差額金の記入の仕方がわかりません。
    P320の例題では、当期変動額合計に仕訳の金額 貸方70 を記入していますが、P322の練習問題では当期末に仕訳の金額 貸方140 が記入されています。お時間があるときに教えていただけないでしょうか?

    • パブロフくん より:

      テキストをお使いくださり、ありがとうございます。
      この2つは金額が違います。具体的にはP320の純資産に関する仕訳、株主資本等変動計算書の金額がP322の練習問題と違います。
      P320のその他有価証券の仕訳は70ですが、P324のその他有価証券の仕訳は140です。
      一度、仕訳&株主資本等変動計算書を手を動かして書いてみて頂ければ、違いがわかると思います。

      • 悩める事務屋さん より:

        当期末(一番下の欄)に書くのか、当期変動額(下から2番目)に書くのか分からなかったもので、例題と練習問題と違っているのかなと思いました。
        もう一度解いてみます。ありがとうございました。

        • パブロフくん より:

          返信ありがとうございます。
          質問内容につきまして、勘違いして見当違いな返信をしてしまい大変申し訳ございませんでした。
          P320の仕訳6が間違っています。正しくは次の2つになります。

          ①再振替仕訳
           その他有価証券評価差額金30/その他有価証券30
          ②決算整理仕訳
           その他有価証券100/その他有価証券評価差額金100

          決算整理仕訳の100を株主資本等変動計算書の期末残高に記入します。誤植がございまして大変申し訳ございませんでした。出版社に連絡させていただきます。

  • はぐりん より:

    自宅での解答方法についてです。
    株主資本変動書や、精算表、財務諸表などもそうですが、白紙の計算用紙だと解答の再現が難しいのでいちいち解答用紙をコピーしなければなりません。
    家にプリンター(直接コピーできるコピー機機能つき)がありますが、何度も解いていると意外とインクが切れるのも早いし・・(もう3回くらい切れました)

    それと図書館などで勉強してる場合はコピー機が使えませんし、手書きで白紙に毎回解答用紙を再現していては時間がかかりすぎます。

    なにかうまい方法はないでしょうか?
    「1回ごと消しゴムで消す」という方法はありますが・・

    • パブロフくん より:

      コメントありがとうございます。
      私も受験時代はコピーが大変でした。株主資本等変動計算書、精算表、財務諸表は答案用紙を3回分コピーして使っていました(問題文は1回分だけです)。
      1回ごとの使い捨てが効率的だと思いますので、答案用紙だけは最初に多めにコピーしておくのがオススメです♪

  • はぴ より:

    こんにちは!簿記3級からもお世話になってます!
    答案用紙のリンクが切れているみたいでダウンロードができません。確認してもらえますか?

    • パブロフくん より:

      ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。ご報告くださり、ありがとうございます!
      答案用紙リンク、修正しました!

      • はぴ より:

        ありがとうございました!無事ダウンロードできました!!
        パブロフ流テキストにも載ってなかったので活用させていただき、来週の試験頑張ります☆

  • えっこ より:

    こんにちは。
    いつもこちらを利用させていただいています。
    すこし、教えていただきたいのですが(1)の問題文「なお、会社法で規定する額の利益剰余金を計上する。」の繰越利益剰余金の処理で、「利益剰余金」を計上する→「利益準備金」ですかね。
    計算は、資本の4分の1から資本準備金+利益準備金を引いた差額と配当の10分の1の金額の少ない方を計上する、でよいですか?

    • パブロフくん より:

      コメントありがとうございます。
      ご指摘ありがとうございます、利益準備金に修正しました。
      計算方法も記載頂いた内容で正しいです。

  • きし より:

    ありがとうございます、安心しました(^^) 138回は回答欄が明示されていましたが、今回、出るとしたらこの形式ですよね。正解できて、安心して試験に臨めます。ありがとうございました。

    • パブロフくん より:

      安心して頂けたようで何よりです。試験勉強、頑張ってください♪

  • きし より:

    こんにちは。
    この総合計は、10,129,000で合っていますでしょうか?どこを合算するか不安で。。。。

    • パブロフくん より:

      合計は正しいです。計算すると次のようになっています。
      資本金6,000,000+資本剰余金1,500,000+利益剰余金2,629,000=株主資本合計10,129,000

  • コメント投稿
    ・問題に関する質問はQ&Aページにお願いします
    ・他の書籍や問題集の質問にはお答えできません