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ごちゃごちゃな保証債務の仕訳を整理する

テーマ: 保証債務

2016年度の範囲改正により、簿記2級の学習内容が変更される論点です。手形を裏書・割引した場合の保証は出題されなくなります。

パブロフくんうーん。うーん。

お兄さんおや、また何か悩んでるの?

パブロフくんあのね、右に「保証債務」の時に、左に「保証債務費用」って出てくる時と、「保証債務見返」って出てくる時と、両方あるの~。パブロフどっちがどっちかよく分からない。

お兄さん似たような名前だけど、「保証債務費用」と「保証債務見返」は、まったく別物だよ。

パブロフくんえっ!?そうなの?

お兄さん今日は保証債務を説明するね。

パブロフくん待ってました!!

 

 

連帯保証人になったなど、他の会社の債務を保証する契約書を書いた場合

知り合いの会社が借り入れをする場合などに、当社が債務の保証を行ったとき、当社が保証人になるにあたって、保証額を備忘記録するために「保証債務見返」「保証債務」を記帳しておきます。

このように「保証債務見返」「保証債務」で備忘記録することを対照勘定法といいます。

【簡単な説明】
本来、仕訳は何にもしなくていいけど、財務諸表に注記しないとダメ。
→忘れないように仕訳でメモしておこう。

債務の保証

取引の流れをマンガを使って、見ていきましょう。

04_15_保証債務

1.保証人になった時

A社が銀行から借入をするにあたって、当社は借入金¥500,000の保証人となった。

(借方)保証債務見返 500,000 (貸方)保証債務 500,000

2-1.保証人が解除された時

A社が借入金を銀行へ無事返したことにより、当社は保証人でなくなった場合。

(借方)保証債務 500,000 (貸方)保証債務見返 500,000

2-2.債務の支払いを求められた時

①A社が借入金を期日に返済できなかったことにより、当社は銀行から元利合計¥510,000の支払いを求められ、小切手を振り出して支払った場合。

(借方)未収金 510,000 (貸方)当座預金 510,000
    保証債務 500,000    保証債務見返 500,000

 

②その後、当社が銀行に支払った金額をA社に求償し、元利合計¥510,000を返してもらった場合。

(借方)現金 510,000 (貸方)未収金 510,000

 

 

パブロフくんなるほど。これで保証債務費用は出てこないね。

お兄さん保証債務費用は、2016年6月以降の試験では範囲外になった内容なんだ。一応、下に説明を貼っておくね。

パブロフくん範囲じゃなくなったんだ。助かるね~♪

 

※下記の内容は2016年6月以降の日商簿記2級では範囲外となりました。

手形を裏書・割引した場合

手形の裏書・割引をした場合、手形が不渡りとなった時に、手形所持人に対して手形代金を保証しなければいけない担保義務が発生します。

保証債務費用とは、この不渡りとなるリスクを、時価で評価して費用に計上するために使用する勘定科目です。

【簡単な説明】
過去の経験上、何%の確率で不渡りが起きるから、その部分を計算して、先に損失を計上しておく。

1.手形を裏書・割引した時

<問題>
他店が振り出した約束手形¥100,000を銀行で割り引き、手数料100を差し引かれた金額が当座預金に振り込まれた。割引時における保証債務の時価は、手形額面金額の1%と評価された。

<解答>
(借方)当座預金 99,900 (貸方)受取手形 100,000
    手形売却損  100
    保証債務費用 1,000    保証債務 1,000

 

取引の流れをマンガを使って、見ていきましょう。

2-1.割り引いた手形が無事決済された時

<例>割り引いた手形が無事決済された。

04_15_保証債務 決済  

2-2.割り引いた手形が不渡りになった時

<例>不渡りになった際、銀行に手形代金を償還請求費用¥500とともに支払った。

04_15_保証債務 不渡

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コメント (24)
  • より:

    2-2 不渡り発生時に保証債務取崩益が仕訳に出てくるしくみが分かりません。初歩的な質問かと思いますが、お教えくださると幸いです

    • パブロフくん より:

      保証債務を計上する時に、保証債務費用が発生し、当期の費用として計上します。
      そして、不渡り発生時に、保証債務取崩益が発生し、不渡手形が回収できない場合、貸倒損失が生じますので、収益と費用が相殺され、損益が発生しない、というしくみです。貸倒引当金の会計処理に似ています。

  • パブロフ犬可愛い より:

    保証債務は、備忘録の為のみの勘定ですか?
    例えば、貸倒引当金のように、割り当てる事はないのでしょうか?

    P.S
    蛇足ですが、3級の総仕上げのおかげで安心して試験に臨むことが出来ました。
    ありがとうございます。

    • パブロフくん より:

      はい、そうです。
      保証債務と引当金は定義が違います。会計基準のルールに従うので、このような仕訳になります。

      • パブロフ犬可愛い より:

        ありがとうございます!
        会見基準のルールの勉強も必要だということが分かりました。

  • ぴーち より:

    2-1で
    フード代を手形で支払ったのに
    決済?するとき銀行にお金をまた支払ってるのはなぜですか?

    • パブロフくん より:

      受取手形を決済した時に当座預金を借方に書くのは、銀行から当座預金に入金があったことを意味します。
      お金と手形は違うものですので、まずは受取手形の取引を復習してみてください。

  • yyy より:

    とてもわかりやすい説明ありがとうございました。
    保証債務、保証債務見返の仕訳が、対照勘定法であると記載されておりますが、つまりは会計上、保証人側の貸借対照表上に表示のされないオフバランス勘定であるという理解でよろしいのでしょうか?

  • まる より:

    現在簿記勉強中なのですが、
    実務上、手形の裏書き時には必ず保証債務、保証債務費用勘定の計上は必要なのでしょうか?
    会社で計上しているのを見なかったので(見てなかっただけかもしれませんが)

    • パブロフくん より:

      実務はケースバイケースで不渡りのリスクがあるかどうかです。下記のサイトに大まかに書いてますので、ご参照ください(専門家業務のご相談を希望ということでしたら、顧問契約となりますので、当ブログの趣旨をご理解頂けますと幸いです)。
      http://kanjokamoku.k-solution.info/2006/08/post_261.html

  • 簿記受験生 より:

    学校で保証債務費用は手形売却損に含めて仕訳すると習ったのですが、これは厳守する必要ないルールという事でいいのでしょうか?

    • パブロフくん より:

      どのような意図でそのように教えているのかわかりませんので、学校の先生にお聞き頂けますと幸いです。

  • 簿記受験生 より:

    なんなの!?
    めっちゃ分かりやす!

  • naoki より:

    大変わかりやすいのですが、対照勘定法における保証債務が備忘記録であるのはわかりましたが、一方で保証債務費用計上時の保証債務は負債になるのでしょうか?

    また、本件の例では貸倒実績法のように残高の一定割合を時価として費用計上しておりますが、手形取引について個別に見返仕訳をしてもよいのでしょうか?

    • パブロフくん より:

      債務の保証の仕訳と手形の遡求義務の仕訳は、まったく関連がありません。別物です。
      手形の遡求義務の仕訳は、対照勘定法ではありませんので、収益として保証債務取崩益を計上します(対照勘定法の保証債務見返は資産です)。

      貸倒引当金は引当金ですが、偶発債務である保証債務とは違います。そもそも、定義や会計処理が違いますので、別物として覚えてください。
      訴求義務の対象となる手形に対して、保証債務を計上しますので、対象となる手形がなくなれば、保証債務を取り崩し、保証債務取崩益を計上します。引当金のように貸倒損失の代わりにならず、収益に計上します。

      • naoki より:

        ご丁寧にありがとうございました。

        概ね理解できました。債務保証と偶発債務の時価計上は別物と解しておきます。対象債務の消滅時に取崩益を計上するのがミソですね。学術的定義までいくと簿記2級の範囲を超えるのでこの辺までで〃

        保証債務見返は資産なんですね。資産負債のいずれにも属さず、単に保証額を見える化したメモにすぎないと思ってました。

        (蛇足ですが、パブロフとTAC合テキで141回合格しました)

  • p より:

    イラスト付きで理解できました!

  • 00 より:

    分かりやすい!

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