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固定資産の割賦購入

テーマ: 固定資産の割賦購入

固定資産の割賦購入とは、固定資産を分割払いで行うことで、支払利息が発生する取引です。割賦購入(分割払い)は、実質的には代金を購入先に借金して、その借入金を分割して返済しているイメージです。

日常生活では、スマートフォンや自動車を購入する際に分割払いをするケースが多いです。会社が購入する固定資産は、特殊な機械や建物など、代金が高い場合も多く、分割払いすることもあります。

※実際の会社では2017年6月から試験範囲になるリース取引の方が主流です。リース取引は、固定資産の割賦購入の考え方を基本としているので、2016年6月に固定資産の割賦購入が新しく範囲になっています。

仕訳について

固定資産の割賦購入の仕訳は次のとおりです。

例題:平成28年4月1日に製造工場の機械を割賦購入した。
・60回分割払いで、毎月末に¥100,000を小切手を振り出して支払う。
・現金販売価額は¥4,800,000である。
・利息の処理方法は取得時に資産勘定で処理し、支払時に定額法により費用計上する方法とする。
・機械は200%定率法で償却を行う。耐用年数10年、償却率0.2、間接法にて記帳する。

<解説>
仕訳を書くと次のようになります。
長期未払金 100,000×60回=6,000,000
長期前払費用の計算 100,000×60回-4,800,000=1,200,000
支払利息の計算 1,200,000÷60回=20,000
減価償却費の計算 4,800,000×0.2=960,000

平成28年4月1日 機械装置
長期前払費用
4,800,000
1,200,000
長期未払金 6,000,000
平成28年4月末 長期未払金
支払利息
100,000
20,000
当座預金
長期前払費用
100,000
20,000
平成28年5月末 長期未払金
支払利息
100,000
20,000
当座預金
長期前払費用
100,000
20,000
平成28年6月末 長期未払金
支払利息
100,000
20,000
当座預金
長期前払費用
100,000
20,000
平成28年7月末 長期未払金
支払利息
100,000
20,000
当座預金
長期前払費用
100,000
20,000
平成28年8月末 長期未払金
支払利息
100,000
20,000
当座預金
長期前払費用
100,000
20,000
平成28年9月末 長期未払金
支払利息
100,000
20,000
当座預金
長期前払費用
100,000
20,000
平成28年10月末 長期未払金
支払利息
100,000
20,000
当座預金
長期前払費用
100,000
20,000
平成28年11月末 長期未払金
支払利息
100,000
20,000
当座預金
長期前払費用
100,000
20,000
平成28年12月末 長期未払金
支払利息
100,000
20,000
当座預金
長期前払費用
100,000
20,000
平成29年1月末 長期未払金
支払利息
100,000
20,000
当座預金
長期前払費用
100,000
20,000
平成29年2月末 長期未払金
支払利息
100,000
20,000
当座預金
長期前払費用
100,000
20,000
平成29年3月末 長期未払金
支払利息
100,000
20,000
当座預金
長期前払費用
100,000
20,000
決算整理仕訳 長期未払金 1,200,000 未払金 1,200,000
決算整理仕訳 前払費用 240,000 長期前払費用 240,000
決算整理仕訳 減価償却費 960,000 備品減価償却累計額 960,000

返済が1年超の場合には「長期未払金」「長期前払費用」を使うことが多いです。

なお、決算整理仕訳で、期末日の翌日から1年以内の未払金については、「長期未払金」から「未払金」に振替を行います(固定負債→流動負債に振り替える)。

同様に期末日の翌日から1年以内の前払費用については「長期前払費用」から「前払費用」に振替を行います(固定資産→流動資産に振り替える)。

ここでも、貸借対照表の勘定科目の表示区分がポイントになります。1年以内なら流動、1年超なら固定と覚えておきましょう♪

おまけ

以下の参考は、内容が細かすぎるので覚える必要はありません。仕訳の意味が分からない方は無視してください(質問やコメントも返信しませんので、ご了承ください)。

<参考:固定資産の割賦購入に関する消費税>
非常に難しいので、出題されても捨て問となる可能性が高いですが、サンプル問題では、固定資産の割賦購入の際に、消費税が出てくる場合もありました。消費税が8%で税抜方式の場合、仕訳は次のようになります。

平成28年4月1日

機械装置
長期前払費用
仮払消費税
4,800,000
1,200,000
384,000
長期未払金

6,384,000

平成28年4月末 長期未払金
支払利息
108,000
20,000
当座預金
長期前払費用
108,000
20,000
決算整理仕訳 長期未払金 1,296,000 未払金 1,296,000
  前払費用 240,000 長期前払費用 240,000
  減価償却費 960,000 備品減価償却累計額 960,000

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コメント (11)
  • OSAKANAZUKI より:

    さっそくの返信に感激です
    9年前、不合格。今年2月再挑戦するも不合格。わりとすき間時間のある仕事してますのでパブロフ君活用させて頂きます。

  • OSAKNAZUKI より:

    初めまして
    平成29年4月の仕訳は
    未払金100,000/当座預金100,000
    支払利息20,000/前払費用20,000
    となるのでしょうか?

  • マキ より:

    こんにちは。
    突然のコメント、申し訳ありません。

    いつも試験勉強時に利用させて頂いております。
    ありがとうございます。

    固定資産の割賦購入の例題に関して2点疑問がありまして…教えて頂きたいと思います。

    ①“200%定率法、償却率 0.2”と与えられていて、減価償却費を求める式では、償却率0.4(=0.2×2)ではなく、通 0.2を用いている点。

    ②4/1購入時に、1年内(H28.4/1~H29.3/31)の利息分前払費用を「前払費用」に振り替えず、「長期前払費用」のまま計上している点。

    お手数ですが、宜しくお願い致します…。

    • パブロフくん より:

      コメントありがとうございます。

      ①償却率
      200%定率法は理解されていますか?
      1÷耐用年数10年×200%=0.2が償却率です。下記の記事を参考になさってください。
      http://pboki.com/nisho2/dep200/dep200.html

      ②日商のサンプル問題の形式に合わせました。どちらでも構いません。

      • マキ より:

        ご返信ありがとうございます!

        なるほど…
        与えられている償却率を“(定額法の)償却率”だと勘違いしておりました。思い込みは危険ですよね…
        ありがとうございます。

        前払費用の件も、納得しました。理解しやすい方法で解こうと思います。

        いよいよ試験もすぐですので、最後にパブロフくん(さん?)と復習しようと思います。

        お手数お掛けしてすみませんでした。

        ありがとうございました。

        • パブロフくん より:

          解決したようで良かったです。20日の試験、合格を応援しています!

  • 豆っちょ より:

    解説、ありがとうございます。
    そうでした…。流動と固定でした。表の下にも、そのように書かれていますよね。
    受かってしまって安心して、すっかり忘れていました。これ以上忘れないように、時間があるときには見直しをしなきゃなと、改めて思いました。
    ありがとうございます!

    • パブロフくん より:

      ご理解頂けたようで良かったです。
      知識は時間が経つと忘れますので、必要な時に調べれば大丈夫ですよ♪

  • 豆っちょ より:

    こんにちは。
    上記の例題で、質問です。
    平成28年4月1日から1年間の仕訳はよくわかったのですが、決算整理仕訳の2行(長期未払/未払、前払費用/長期前払費用)が、どうしてその仕分けになるのか分かりません。
    教えてください、よろしくお願いします。

    追伸:今年の2月の試験に合格したので、すっかりご無沙汰になっており、久しぶりに覗いてみたら…。2級が難しくなりすぎていて、受かっておいてよかったと実感しました(苦笑)

    • パブロフくん より:

      コメントありがとうございます。
      新しい試験では財務諸表の表示区分が今まで以上に重要になっています。実際に仕事でも役立つので、表示区分を学ぶことは良いことです。

      仕訳の意味は上記の記事で書いた通りでして、
      期末日の翌日から1年以内なら、流動資産・流動負債に計上します。1年超なら、固定資産・固定負債に計上します。
      長期未払金と長期前払費用に全額計上されていますので、決算整理で流動と固定の対応が正しくなるように仕訳を行います。
      ・決算整理仕訳で、期末日の翌日から1年以内の未払金については、「長期未払金」から「未払金」に振替を行います(固定負債→流動負債に振り替える)。
      ・同様に期末日の翌日から1年以内の前払費用については「長期前払費用」から「前払費用」に振替を行います(固定資産→流動資産に振り替える)。

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