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銀行勘定調整の解き方

テーマ: 銀行勘定調整表

パブロフくんこれが減って、これが減って、これが増えて、あれぇ~、合わない?

お兄さんそれは、銀行からもらった残高証明書だね。

パブロフくんお兄さん、残高証明書と、帳簿の当座預金の金額が合わないの…。

お兄さん簿記の試験でも出るパターンだね。銀行残高調整表の解き方、知りたい?

パブロフくん知りたーい!!

 

銀行勘定調整とは

たとえば3月31日に銀行が把握している、当社の当座預金の金額を、銀行から残高証明書としてもらいます。当社が把握している、3月31日の帳簿の当座預金金額と一致しなければおかしいです。

でも、一致しないことがあります。

一致しない理由を調べて、残高証明書の金額と当座預金の金額を一致させようとすることを銀行勘定調整と言います。そのために使うのが次の表です。

今回は、帳簿の当座預金¥1,000、残高証明書¥900という設定にします。

04_10_銀行勘定調整表 下書き1

問題文をどんどんコレに埋め込んでいけばいつの間にか解けています。ワンパターンです。実際に銀行勘定調整表を埋めていく例を見ていきましょう。

 

1.「仕訳なし」となる場合(銀行側の修正)

銀行側の残高証明書の金額を修正する場合には、銀行側(BK)に書きます。この場合、当社の記帳は正しいので、当社は仕訳を書きません。

当社は「仕訳なし」 → 【当社の記帳は正しい】 = 【銀行側の修正】

04_10_銀行勘定調整表 下書き2

①時間外預入(締め後入金)
得意先から売掛金の決済代金として¥90の小切手を受け取り、決済日に当座預金に預け入れたが、銀行はそれを翌日付で記帳していた。

<解答>
仕訳なし

<解き方>
当社としては、売掛金の決済があり、当座預金に預け入れた時点で
(借方)現金 90 (貸方)売掛金 90
(借方)当座預金 90 (貸方)現金 90
と仕訳を計上済みですので、追加で仕訳をする必要はありません。

銀行へ午後3時以降に預け入れた場合、翌日の日付で処理されてしまいます。このように銀行が翌日付で記帳することは、銀行の閉店時間の影響で、当社が原因ではありません。本来、銀行がすぐに当座預金が増加した処理をしてくれれば、銀行の把握している当座預金の金額と当社が把握している当座預金の金額は一致していたはずなのです。

たとえば、3時までに預け入れの手続きをしなければ銀行はその日のうちに処理してくれませんが、当社は5時に預け入れても、その日の仕訳とする必要があります。

 

②未取立小切手
得意先に商品を売り上げ¥150の小切手を得意先から受け取り、直ちに当座預金に預け入れていたが、当社の取引銀行はこの小切手の取立をまだ行っていなかった。

<解答>
仕訳なし

<解き方>
当社としては、小切手を受け取り、直ちに当座預金に預け入れた時点で
(借方)当座預金 150 (貸方)売上 150
と仕訳を計上済みですので、追加で仕訳をする必要はありません。

本来、銀行がすぐに取り立てていれば、銀行の把握している当座預金の金額と当社が把握している当座預金の金額は一致していたはずなのです。

未取立小切手の状況
04_10_銀行勘定調整表当座預金調整表 未取立小切手

③未取付小切手
買掛金の支払のため¥80の小切手を振り出して仕入先に渡していたが、仕入先ではこの小切手の取立をまだ行っていなかった。

<解答>
仕訳なし

<解き方>
当社としては、小切手を振り出した時点で
(借方)買掛金 80 (貸方)当座預金 80
と仕訳を計上済みですので、追加で仕訳をする必要はありません。

本来は、仕入先がすぐに小切手を銀行へ持って行ってくれていれば、銀行の把握している当座預金の金額と当社が把握している当座預金の金額は一致していたはずなのです。

未取付小切手
04_10_銀行勘定調整表当座預金調整表 未取付小切手

 

2.当社の帳簿を修正する場合

【当社の帳簿を修正する】ときは、下書きの左側で調整します。
04_10_銀行勘定調整表 下書き3

④銀行連絡未通知
以前に受け取り、銀行に取立依頼していた得意先振出しの約束手形の代金¥120が当座預金の口座に振り込まれていたが、この通知が銀行から届いていなかった。

<解答>
(借方)当座預金 120 (貸方)受取手形 120

<解き方>
当社は銀行から通知が届いていなかったので、何も仕訳していません。しかし、既に約束手形の代金¥120が当座預金に振り込まれているので、以下の仕訳が必要です。

(借方)当座預金 120 (貸方)受取手形 120

※なお、「銀行からの連絡が未通知」以外にも「当社の記帳が未了」の場合も同じです。どちらも、「当座預金が増減したことを当社が知らない」ということです。

 

⑤未渡小切手
買掛金の支払いのために¥70の小切手を振出し、当座預金の減少として記帳していたが、仕入先にはまだ小切手を渡していなかった。

<解答>
(借方)当座預金 70 (貸方)買掛金 70

<解き方>
当社は買掛金の支払いのために¥70の小切手を振出したときに、
(借方)買掛金 70 (貸方)当座預金 70
という仕訳をしていましたが、担当者のミス等で、仕入先に小切手を渡していなかった状況です。

会社全体で見ると、これは当社の誤りです。買掛金も当座預金も減らしてはいけません。したがって、この仕訳を取り消す仕訳が必要になり、解答のようになります。

※取引先に小切手を渡してない、つまり、お金払っていない、ということです。小切手は数十万円~数千万円の代金の支払いで利用されますが、現実で未渡しという事態が起きるのか疑問です。しかし、簿記の問題ではよく出てきます。

未渡小切手は、取引先を失うかもしれない危険な状況だと覚えておきましょう。

 

⑥誤記入
車両購入で小切手を振り出した際、¥360のところを誤って¥230と仕訳していたことが判明した。

<解答>
(借方)車両 130 (貸方)当座預金 130

<解き方>
当社は車両を購入して¥360の小切手を振出したときに、誤って次の仕訳をしていました。
(借方)車両 230 (貸方)当座預金 230

本来あるべき仕訳は次のとおりですが、この仕訳にするため、解答の仕訳が追加で必要になります。
(借方)車両 360 (貸方)当座預金 360

 

まとめ

04_10_銀行勘定調整表 まとめ     

<小切手の覚え方>未渡小切手以外は仕訳なし 

 

パブロフくん自分の帳簿が正しいか正しくないかって考えながら、解いたらいいんだね!

お兄さんそうだね。正しいなら、下書きの右側に書く。正しくないなら、正しくなるように仕訳を切って、下書きの左側に書く。

パブロフくんパブロフ、できそうな気がしてきた!

お兄さん最初は難しく感じるかもしれないけど、銀行残高調整は毎回同じような問題が出るから、練習したらすぐに慣れるよ。

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コメント (8)
  • はりる より:

    2月試験に向け、総仕上げ問題集の2周目に取り掛かっておりますが、Chapter3-02の114ページ、配当金領収証の処理の解説で引っ掛かってます。

    配当金領収証は現金として扱う、OKです。
    決算整理仕訳で、現金4,000/配当金領収証4,000と処理する、了解です。

    が、帳簿残高に4,000を加算する理屈が分かりません。
    なぜ整理前残高123,000円に、この4,000円が含まれていないと分かるのでしょうか。

    類似の問題が出たらまた間違ってしまいそうですので、お助けください。

    • パブロフくん より:

      総仕上げ問題集をお使いくださり、ありがとうございます。
      問題文には下記の通り「未処理」と書いてあります。未処理ということは、仕訳を何もしていないということです。仕訳を何もしていないので、帳簿残高に含まれていないため、決算整理で追加仕訳を行うことで、現金の帳簿残高に加算します。
      配当金領収証(未処理) ¥4,000

      最終的に、現金実査で数えた現金の金額と帳簿上の現金の金額が一致することになります。

  • けん より:

    いつもお世話になっております。

    総仕上げ問題集第2版の106ページ、Chapter3の01の問題文4について質問です。

    「得意先埼玉商店に対する受取手形¥25,000が期日決済され取り立てられたが…」

    とありますが、実際の試験でこのように出題されるのでしょうか。

    得意先埼玉商店に対する受取手形、で切ってしまい、当社が支払いとして受取手形を振り出したと読んでしまいます。

    得意先埼玉商店に対する〜取り立て、と読むと、当社に対して振り出された受取手形を、銀行が取り立てたんだな、と読めるのですが。

    忘れた頃にもう一度やると、また混乱してしまいます。

    簿記の世界ではこのような言い回しをするのでしょうか。素人なので、トンチンカンな質問ですみません。

    • パブロフくん より:

      コメントありがとうございます。
      総仕上げ問題集の文書は本試験の言い回しで作成しております。「仕入先」で「約束手形」の場合はおっしゃる通りですが、「得意先」で「受取手形」と書いてあるので、受取手形の期日の話をしていることがわかります。簿記3級の復習になりますが、商品を販売する相手先の会社は「得意先」といいます。得意先元帳などの補助簿の名前もそこからきています。売った相手である得意先に振り出す約束手形は「受取手形」です。
      なお、受取手形で支払った場合、受取手形を「裏書き」して支払ったという文章になります。

      簿記の問題文は日本語の文章で考えると微妙な表現が多いのですが、用語の意味や取引の流れを意識して仕訳を捉えると判断しやすいかもしれません。日本語の文章は簿記3級の問題(試算表や元帳、補助簿の記帳)で慣れるのがオススメです。

      ミスノートを作成して、問題を解く前に眺めてから、ミスした内容を意識づけておくと本試験で同じミスを起こしにくいです。
      http://pboki.com/missnote/missnote.html

      11月の試験合格、応援しています!勉強頑張ってください!

    • けん より:

      “裏書き”して!

      目からウロコです、ありがとうございました!

  • はぐりん より:

    いつも返答ありがとうございます。
    銀行勘定調整表ですが、
    並列法と、当社中心、銀行中心?の3つの記入方法がありますが、どの形式でも出る可能性があるのでしょうか?
    137回と134回では並列法以外で出たみたいですが。
    第2版のテキストでは並列法の問題のみが載っていて、他の2つは参考として載っていた程度なので、並列法で出る確率が高いのでしょうか?

    • パブロフくん より:

      コメント、ありがとうございます。
      どの形式も出る可能性はあります。すべての基本は両社区分調整法ですので、テキストではこれを中心に出題しています。なお、両社区分調整法の最終値が貸借対照表の当座預金の残高となりますが、他の方法では貸借対照表の当座預金の残高を求めることはできません。

      ■他の形式の問題について
      テキストの特典の実践問題で出題しております(P9参照)。実践問題の解説でも説明していますが、どの形式が出題されても両社区分調整法で下書きを書き、答案用紙の形式に合わせて解答することになります。合わせてご確認して頂けますと幸いです。

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