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200%定率法と通常の定率法の違い

2016年度の範囲改正により、簿記2級の学習内容が変更される論点です。保証率や改定償却率の問題が新しく範囲になります。

パブロフくんねぇねぇ、この前の試験で200%定率法が出たって噂なんだけど。

お兄さんうん、そうだよ。最近の試験で出題されるようになった内容なんだ。今回は200%定率法について勉強しよう。

パブロフくん・・・うん。

 

200%定率法とは

200%定率法とは、法人税法上の定率法の計算方法です。多くの会社が会計でも利用している減価償却の方法です。2015年2月の日商簿記2級で、200%定率法が初めて出題され、2016年2月の試験でも応用的な問題が出題されました。200%定率法は法人税法の計算方法ですが、今後も出題可能性が非常に高いことが予想されます。何が違うのかを見てきましょう。

基本的な計算方法は、定率法と同じです。

200%定率法は何が違うのか?

通常の定率法と200%定率法の違いは、使用する償却率だけです。基本的な計算の手順は同じです(応用的な問題は後で説明)。基本的な問題について例題を使ってみていきましょう。

例題:取得価額1,000円、残存価額は取得価額の10%、耐用年数5年
①定額法、②通常の定率法、③200%定率法の3つについて、見ていきましょう。

①定額法
 ほぼ使いませんが、定額法でも償却率を使うことがあります。これは覚える必要はありません。

・償却率の計算式 1÷5年=0.2
・減価償却の計算1年目 (1,000-1,000×0.1)×0.2=180
・減価償却の計算2年目 (1,000-1,000×0.1)×0.2=180

②通常の定率法
 自分で計算することはありませんが、通常の定率法の償却率は次のように計算します。

・償却率の計算式 1-(0.1)^(1/5)=0.369043… → 0.369
 ^は累乗で、0.1の(5分の1)乗という計算を表しています。
・減価償却の計算1年目 1,000×0.369=369
・減価償却の計算2年目 (1,000-369)×0.369=232.839 → 233

③200%定率法
 償却率として、定額法の償却率×200%を使うため、200%定率法と呼ばれます。以前は250%定率法でしたが、法人税法の改正により200%定率法となっています。今後も改正により呼び名が変わるかもしれませんが、根本的な計算方法は同じですから、気にしなくて良いでしょう。

・償却率の計算式 定額法の償却率0.2×200%=0.4
・減価償却の計算1年目 1,000×0.4=400
・減価償却の計算2年目 (1,000-400)×0.4=240

つまり、②通常の定率法と③200%定率法は、償却率が違うだけで計算方法は同じです。

200%定率法の基本問題

次の例題のように、200%定率法の償却率を自分で計算する問題も出題されています。試験までにマスターしておきましょう。

例題:備品について決算整理仕訳を行いなさい。(間接法)
 取得価額    ¥240,000
 減価償却累計額 ¥96,000
 償却方法 200%定率法
 耐用年数 5年
 残存価額 ゼロ

<解答>
償却率 1÷5年×200%=0.4
減価償却費 (240,000-96,000)×0.4=57,600

 減価償却費57,600/備品減価償却累計額57,600

 

保証率と改定償却率の使い方

200%定率法は、通常の定率法の償却率を使っていないため、耐用年数が到来した時に残存価額と不一致になるという問題が生じます。この問題を解決するために、保証率と改定償却率を使って補正します。

<計算式>
① (取得原価-期首減価償却累計額)×償却率
② 取得原価×保証率
③ ①>②であれば、①の金額が減価償却費となる。
  ①<②であれば、次の式で減価償却費を計算する。※
 (取得原価-期首減価償却累計額)×改定償却率=減価償却費

※なお、改定償却率を使った場合、次の年も同じ金額の減価償却費を計上する点に注意しましょう。

例題:2016年4月1日に取得した備品について、減価償却を行う。
 取得価額 ¥240,000
 記帳方法 間接法
 償却方法 200%定率法
 耐用年数 5年
 残存価額 ゼロ
 保証率  0.10800
 改定償却率0.500

<解き方>
償却率 1÷5年×200%=0.4

1年目 ①240,000×0.4=96,000
②240,000×0.10800=25,920
③96,000>25,920なので、①を使う。
 減価償却費96,000/減価償却累計額96,000
2年目 ①(240,000-96,000)×0.4=57,600
②240,000×0.10800=25,920
③57,600>25,920なので、①を使う。
 減価償却費57,600/減価償却累計額57,600
3年目 ①(240,000-153,600)×0.4=34,560
②240,000×0.10800=25,920
③34,560>25,920なので、①を使う。
 減価償却費34,560/減価償却累計額34,560
4年目 ①(240,000-188,160)×0.4=20,736
②240,000×0.10800=25,920
③20,736>25,920なので、改定償却率を使う。
 (240,000-188,160)×0.500=25,920
 減価償却費25,920/減価償却累計額25,920
5年目 ①前年に改定償却率を使ったので、同じ金額を行う。
 減価償却費25,920/減価償却累計額25,920

 

お兄さんほら、保証率と改定償却率を使えば、5年目の仕訳をしたら、減価償却累計額が240,000になって取得価額と一致するよね。つまり、残存価額ゼロまで償却ができた、ってことなんだ。

パブロフくんこれ、難しいね。なんか、コツはないの?

お兄さん改定償却率は、耐用年数の最後の1~2年で出てくるんだ。減価償却累計額の金額が大きいとき(取得原価に近いとき)に注意しておけば、改定償却率を使うことがわかるよ。

パブロフくんなるほど~♪

お兄さんまずは基本的な問題が解けるように練習しよう。試験前には保証率と改定償却率を使う問題も解けるようにしておこうね。

 

おまけ

簿記の問題では、残存価額は10%か0円のどちらかが出題されることが多いですが、多くの会社では0円で計算します。多くの会社で利用されている200%定率法では、まず残存価額0円で計算し、最後の年に備忘記録1円となるように調整するからです。
最近の傾向は残存価額0円で計算させる問題が増えてきています。これは実務でよく使われている計算方法を簿記の問題で出題したいという意図があるからでしょう。

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