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本支店会計② 決算整理は順番に

テーマ:本支店会計2

お兄さん今日は、本支店会計の決算整理を説明するね。

パブロフくん決算整理ってなに?

お兄さん簿記はね、1期間に1回、帳簿をきれいにしたり集計したりして、「お店の1期間の利益や、お店の今の資産はこれぐらいありますよ」って報告書を作るんだ。この報告書のことを貸借対照表、損益計算書っていうんだよ。
帳簿をきれいにしたり集計したりして、報告書を作ることを決算整理って呼ぶんだ。

パブロフくんふむふむ。

お兄さん通常は、経過勘定をたてたり、減価償却費を計算したりすればいいんだけど、本支店会計をしている会社は「本店と支店の帳簿を合わせる」ことも必要だよ。

 

本支店会計の決算整理

本支店02

パブロフくんねぇねぇ、未達取引ってなに?

お兄さん本店と支店の間には色々やり取りがあるよね。たとえば「本店が支店の営業費を支払っておく」「本店が支店に現金を送る」「支店が本店の売掛金を回収しておく」みたいにね。

パブロフくんあるある。

お兄さん決算整理の直前に本支店間の取引があった場合、「あっ、支店の営業費を支払っておいたけどまだ支店に連絡してない」みたいなこともあるよね。きちんとした報告書を作るためには、「連絡が間に合わなかったので支店ではまだ記帳していません」っていうわけにはいかないんだ。

パブロフくん決算整理の時に、連絡を忘れていないか確認して、全部連絡しなきゃいけないんだね。

お兄さんそう!これを未達取引って言うんだよ。まだ連絡が達していない、ってかんじ。

パブロフくんなるほど~。

お兄さん本店が支店へ現金を送った時、本店では当然、送った時に仕訳をするけど、支店は連絡を受けるまで分からないよね。決算整理の時に連絡を受けて仕訳をすることを『未達取引の整理』って言うんだよ。

 

未達取引の整理

本支店03

お兄さん(本支店会計の決算整理の図)①未達取引の整理②決算整理は本店と支店が別々に処理して、③以降は本店と支店の残高試算表を合算した後に処理するんだ。

パブロフくんあのね、④にいろいろ知らないことが書いてあるの。

お兄さんそうだね。本支店会計特有の処理だね。

 

本支店間取引の消去

本店は、仕入先から仕入れた商品を支店へ送ることがある。その時、下記のような仕訳をする。

本店
(借方)支店 10,000 (貸方)支店へ売上 10,000

支店
(借方)本店より仕入 10,000 (貸方)本店 10,000

本支店04

これは期中にどれくらい商品を支店に送ったか把握するためにしている仕訳で、同じ会社内での取引。
したがって「会社の損益計算書」には「売上」や「仕入」として載せてはいけない。

そこで、決算整理で本支店間取引の消去が必要になる。

(借方)支店へ売上 10,000 (貸方)本店より仕入 10,000

 

本支店勘定の消去

本支店会計では「本店」「支店」勘定が出てくる。

「本店」「支店」勘定は期中、本支店間でどれだけの取引があったか把握するためにあるので、会社内でのメモのようなもの。

→ 「会社の貸借対照表」には「本店」「支店」として載せてはいけない。

→ 決算整理で本支店勘定の消去が必要になる。

(借方)本店 xx (貸方)支店 xx

※状況によっては貸借が逆になる場合もある。
※期中に正しく仕訳がなされていれば、「本店」金額と「支店」金額は一致する。

 

内部利益消去

本店から支店に商品を送る時に、利益を付加する場合があり、内部利益という。
内部利益は、会社内の管理のために付加されるもの。

本支店05

図の場合、「支店への売上」110円と「本店からの仕入」110円は相殺されるため、会社全体で見ると100円で仕入れた商品を120円で売っている。これは調整の必要がない普通の取引。

一方、もしこの110円の商品が期末に支店に残っている場合はどうだろう。

「支店へ売上」110円と「本店から仕入」110円は相殺されるが、支店にある「繰越商品(商品)」の中に10円分、本来ないはずの利益が含まれていることになる。

したがって、下記のように処理する。

期中に売れてしまった分:調整の必要はない

期末に残っている分:繰越商品(商品)から利益を控除することが必要

 

内部利益消去のイロイロ

本支店会計の内部利益や商品には3パターンの問われ方があるので、下書きを確立しておいて、どの問題でも解けるように準備しておこう。

Q 下記それぞれの金額を答えよ。
本店は支店に10%の利益を付加して売っている。
本店の期首商品棚卸高は¥50,000、当期商品仕入高は¥200,000、期末商品棚卸高は¥40,000である。
支店の期首商品棚卸高は¥6,100円(うち本店からの仕入分¥1,100)、当期商品仕入高は¥82,000(うち本店からの仕入¥22,000)、期末商品棚卸高は¥9,200(うち本店からの仕入分¥2,200)である。

A1 本支店合併の貸借対照表、損益計算書を求めるとき

 期首商品棚卸高 56,000 (=50,000+6,100-1,100+1,100×1.0÷1.1)

 当期商品仕入高 260,000 (=200,000+82,000-22,000)

 期末商品棚卸高 49,000 (=40,000+9,200-2,200+2,200×1.0÷1.1)

 商品 49,000 (=40,000+9,200-2,200+2,200×1.0÷1.1)

A2 本支店独自の損益勘定等を求めるとき(「繰延内部利益」勘定を使わない場合)

 内部利益戻入 100(=1,100×0.1÷1.1)

 内部利益控除 200(=2,200×0.1÷1.1)

A3 本支店独自の損益勘定等を求めるとき(「繰延内部利益」勘定を使う場合)

 繰延内部利益戻入 100(=1,100×0.1÷1.1)

 繰延内部利益控除 200(=2,200×0.1÷1.1)

 繰延内部利益 200(=2,200×0.1÷1.1)

04_17_本支店会計new1

★ポイント
どんな問われ方でも本質(内部利益を控除する理由・内部利益の金額)は同じなので、下書きは同じ。問われ方によって勘定科目が違うので注意しよう。

パブロフくんあ、あたまがクラクラしてきたよぅ。

お兄さん今日は一度に話し過ぎたね。家でゆっくり復習したら大丈夫だからね。

 

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